日本商工会議所は4月30日、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。4月の全産業合計の業況DIは、▲21・9(前月比▲1・9㌽)となった。向こう3カ月の先行き見通しDIは、▲27・0(今月比▲5・1㌽)だった。
卸売業では、設備投資が堅調に推移する中、気温上昇に伴い春物衣料の引き合いが増加し、改善した。 一方、建設業、製造業、小売業では、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー・仕入価格の上昇や調達困難化の影響が見られ、悪化した。サービス業もその影響を受けたが、行楽需要の拡大などにより飲食店を中心に客数が増加し、ほぼ横ばいとなった。 国際情勢の不安定化による利益率の低下やサプライチェーンの混乱による影響は大きく、中小企業の景況感は一段と厳しさを増している。
ヒアリングした企業からは「ナフサ系の石油製品の供給不安に伴い、住宅設備メーカー各社による新規受注停止や生産調整が相次いでいるほか、プラスチック樹脂や塗料といった基幹資材が調達困難化している」(一般工事業)、「業界の商慣習により、次回の価格転嫁は10月以降。価格改定が到底追い付かない中、利益率の低下をどのように乗り切っていくか大きな課題である」(水産食料品製造業)、「梱包(こんぽう)資材にも影響が出ており、売るものがない・材料不足で商品がつくれないなど、商売に大きな障害となっており、先行きは厳しい状況」(一般機械器具卸売業)、「生鮮食品を取り扱う当店ではゴム手袋が衛生上必須であるが、仕入先が医療従事者優先での供給に切り替えており、入手困難化している」(百貨店)、「近近隣にホテルチェーンが進出し、価格競争が激しくなっていることから、販売価格への転嫁は困難である」(旅館)といった声が寄せられた。
先行き見通しDIは、▲27・0(今月比▲5・1㌽)。高水準での賃上げが下支えとなる中、大型連休に伴う消費の拡大が見込まれる一方、足元の燃料価格の上昇や長引く物価高が、消費マインドを下押しする可能性がある。また、中東情勢による影響について、政府の対策に期待する声もあるが、影響が長期化した場合、事業の見直しや資金繰りの悪化につながる恐れも軽視できない。今後の見通しに対する不透明感が広がっており、先行きはさらなる悪化を見込んでいる。
