日本商工会議所はこのほど、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。4月の付帯調査では「コスト増加分の価格転嫁の動向」についてヒアリングした。調査対象は、全国323商工会議所の会員2412企業(有効回答数1890企業、回答率78.4%)。
協議実施7割超も 転嫁は足踏み
発注側企業との「価格協議の動向」について、「協議を申し込み、話し合いに応じてもらえた」は66.8%、「コスト上昇分の反映の協議を申し込まれた」は9.4%となった。合計で「協議できている」企業は76.3%と、2025年10月調査から1.9ポイント増加した。今年1月に取引適正化法が施行されたこともあり、価格協議が浸透してきている。
業種別に見ると、全業種で25年10月調査の数字を上回っているが、依然として小売業とサービス業は全体を下回る結果となった。また、従業員規模別に見ると、10人未満の小規模企業で63.0%と25年10月調査より改善したものの、依然として低い水準となっている。
コスト増加分の「価格転嫁の動向」については、「4割以上の価格転嫁」を実施できた企業は52.8%と、25年10月調査からプラス0.3ポイントとほぼ横ばいとなり、価格転嫁の実施は足踏みの状況である。また、仕入れ価格の変動が激しく、「価格協議後に仕入れ価格が上昇し、価格転嫁が追い付かない」との声が散見された。 業種別に見ると、建設業、卸売業は「4割以上の価格転嫁」を実施できた企業が6割超と高水準だが、サービス業は約4割と低水準となった。
労務費上昇分は 二極化の傾向に
労務費増加分の「価格転嫁の動向」については、「4割以上の価格転嫁」を実施できた企業は38.9%と、25年10月調査からプラス0.2ポイントとほぼ横ばいである。 労務費増加分の「価格転嫁の動向」を業種別に見ると、建設業は「4割以上の価格転嫁」を実施できた企業が5割を超え、他業種と比較して高水準な一方で、小売業、サービス業は全体を下回った。また、従業員規模別に見ると、10人未満の小規模企業は27.7%と100人以上の企業(46.1%)よりも18ポイント以上低く、二極化の傾向が表れている。 「価格協議を行うに当たり希望する支援策」は、「自社にて対応可能なため支援策は必要ない」が32.5%と最も多く、「価格協議の必要性の取引担当者への周知・啓発」が25.7%と続き、経営者と現場の双方に浸透が必要である。
