日本商工会議所はこのほど、「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギーなどの影響調査」の集計結果を公表した。 同調査は、昨今の中東情勢の緊迫化に伴う燃料費や石油化学製品の高騰、および供給面における不透明感が、地域中小企業の活動に及ぼす影響やその実態を把握することを目的に実施。2026年5月7日~5月29日にかけて実施し、205商工会議所の会員企業2497社から回答を得た。
調査結果によると、中東情勢の緊迫化による「燃料」や「石油化学製品(原材料・部材など、消費財・備品など)※ナフサを原料として製造される化学製品およびその加工品」に関する経営への影響は、いずれも「価格上昇」が最多で、企業の約7~8割に影響が出ている。
また、「供給の停滞・目詰まりの影響」については、「燃料」は約3割であるのに対し、「石油化学製品」については、「原材料・部材など」、「消費財・備品など」のいずれにおいても5割以上の企業が影響を受けていると回答。「燃料」より「石油化学製品」の目詰まりの影響が大きいことが明らかになった。
経営への影響については、9割超の企業に何らかの影響が生じているという結果になった。具体的には、「仕入れ価格の高騰(74.8%)」を筆頭に、「燃料価格の高騰(62.9%)」や「物流費の高騰(38.7%)」といったコスト負担の増加が上位を占めている。業種別に見ると、「製造業」「建設業」「宿泊・飲食業」において「仕入れ価格の高騰によるコスト負担の増加」の影響が最多となっている。建設業では、上記のコスト負担の増加に加え、「仕入れ物資の停滞・目詰まりによる操業率・事業活動の低下」「納期遅延や受注制限に伴う失注・売り上げの減少」が他の業種と比べて高くなっている。
こうした仕入れ価格などの高騰の影響を受けている企業におけるコスト増加分に対する価格転嫁の状況は、「価格転嫁できている・一部できている企業」が約5割(46.6%)、/「ほとんど価格転嫁できていない・していない企業」も約5割(48.4%)とほぼ拮抗(きっこう)している実態が明らかとなった。
中東情勢緊迫化に対する企業の対応について、「価格転嫁」と「在庫確保」が多く、「上昇したコストの販売価格への転嫁」が約4割(39.7%)で最多。その他、「消費財などの在庫確保(38.9%)」「燃料や原材料などの積み増し(16.0%)」といった在庫確保の動きも見られた。在庫を積み増ししている企業のうち、「燃料」の在庫については、約6割の企業は通常の水準、約1割の企業では通常よりも多い水準で確保している。また、「石油化学製品(原材料・部材・販売用商品)」の在庫については、「通常の水準」、「通常より多い水準」を確保している企業はそれぞれ約2.5割という結果になった。
政府などに対しては、「安定供給の確保」が約6割(57.5%)の企業が求めており、その他にも「コスト・資金面」における負担軽減を求める声が多数上がった。
