日本商工会議所はこのほど、6月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。6月の付帯調査では「設備投資の動向」についてヒアリングした。調査対象は、全国323商工会議所の会員2414企業(有効回答数1897企業、回答率78.6%)
設備投資実績 「実施した」5割
2025年度の設備投資実績は、「実施した」が50.4%と、2024年度と比較して1.8ポイント増加し、半数を超え、高水準で推移している。26年度の設備投資の動向は、設備投資を「実施(予定含む)」が47.1%と、25年度と比較して3.5ポイント増加した。中小企業の設備投資への意欲は年々高まっている。
設備投資を「実施(予定含む)」企業のうち、昨年度と比べて設備投資規模を「拡大」する企業は27.5%と25年度からほぼ横ばいで推移している。一方、設備投資規模を「縮小」するとした企業は28.2%と25年度から7.0ポイント増加した。設備投資への意欲は高いものの、その規模に関しては、「同水準」から「縮小」に変化した割合も多くなっている。
ヒアリングした企業からは「国内での機械設備の導入、海外での新たな工場建設を実施した」(パン・菓子製造業)、「導入予定の設備の価格上昇が予想されるため、早期の設備投資に踏み切った」(酒類製造業)、「設備投資を検討しているが、設備価格が高騰しており、なかなか実施に踏み切れずにいる」(食料・飲料卸売業)、「不具合・老朽化から設備投資を実施せざるを得ない状況。旅館業のため、工事期間中は稼働率が低下し、売り上げの減少が危惧される」(旅館業)などの声が上がった。
生産性向上へ 高い意欲
26年度の設備投資の内容は、「生産設備・機械」が44.5%と最多となり、次いで「IT・ソフトウエア」が40.2%となった。生産性向上につながるハード・ソフト両面での投資が上位となった。
設備投資の目的は、「設備の老朽化などに伴う更新」が61.1%と最も多い。一方で、「現在または将来の需要増への対応」(34.4%)、「省力化などにより人手不足に対応」(32.6%)、「DX化の推進」(24.0%)、「時間外労働や長時間労働の抑制」(23.6%)といった前向きな投資への意欲も高い。
設備投資の後押し要因は、「自己資金で設備投資が可能となった」が54.9%と半数を超え、内部留保やキャッシュフローにより投資が行われていることが分かる。また、「補助金や助成金などが活用できる」が31.9%となり、政府による支援策が設備投資の後押しとなっていることが推察できる。
ヒアリングした企業からは、「事務所の建て替えを行い、職場環境が改善されている部分を採用活動のアピールポイントとしていきたい」(無機化学製品製造業)、「なりわい補助金を活用し、建屋を作業効率などを考えた配置で修繕している」(酒類製造業)などの声が寄せらせた。
