日本商工会議所の阿部貴明税制委員長(東商・税制委員長)は9月16日、堺商工会議所(大阪府)の葛村和正会頭と意見交換した。葛村会頭は、阿部委員長に大阪府内7商工会議所(堺、泉大津、岸和田、貝塚、泉佐野、高石、和泉)連名での「取引相場のない株式の評価に関する意見書」を手交し、国への働きかけを求めた。
意見書では、現行の評価方法は、事業を継続し企業価値を高めるほど評価額が高くなり、次世代への税負担が重くなる。また、非上場株式は売却が難しく納税者にキャッシュが入らないにもかかわらず、相続のたびに重い税負担を強いられる状況を指摘。相続税のない諸外国と比較し、日本の中小企業は不利な競争を強いられ、国際競争力の低下、ひいては日本経済の成長を妨げていると強調し、中小企業の持続可能な成長のための新しい制度設計を要請した。
具体的には、「事業承継時における現在の評価方法を見直し、中小企業の円滑な事業承継に支障をきたさないようにすること」「他者への売却によって利益が生ずる場合のみ課税すること」を求めた。
意見交換において、葛村会頭は、「中小企業は事業を継続することが最優先課題」と強調。さらに「会社は土地や設備、商品という形で資産を保有し現金が余っているわけではない」と説明した上で、「借金で事業を回している企業も多く、新たな評価方式で多額の税負担を求められれば次の投資もできず、後継者も事業承継を諦めてしまう」と強い危機感を訴えた。
阿部委員長からは、「まっとうな中小企業が増税となれば、事業継承は崩壊しかねない。全国の中小企業から現場の声を上げていくことが重要」と述べた。
