日本商工会議所は、9月25日、「2026年度地域経済を牽引する中堅・中小企業における投資動向調査」の結果を公表した。同調査は、地域未来戦略のもとで政府が推進する国内投資の拡大に向けた各政策に対し、商工会議所として地域・中堅中小企業の実態に即した提言を行うための基礎資料として、企業の投資動向や国際情勢の影響に関する調査を実施したもの。調査期間は、4月8日~6月10日。411社、227商工会議所から回答を得た。
調査結果によると、中堅・中小企業の投資動向については、過去2~3年で47.3%が拠点の新設・拡張・移転などの投資を実施。今後5年程度の見通しを見ても、半数超の企業が拠点投資を「計画・検討中」となった。投資額では、10億円超の大型投資を予定する企業が3割を超えるなど、高い投資意欲もうかがえる。
また、国内外の需要動向や経営環境の変化を受けて、現在の投資計画を見直す(予定含む)企業は3割超に上り、そのうち約4割が、投資コストの増大や国際情勢の不安定化を背景に、計画を延期している結果となった。
人材確保については、新卒採用は全ての学校種別において苦戦しており、「募集したが全く採用できていない」「予定人員に満たない」とする企業が7割以上を占め、高等専門学校(高専)に至っては約9割と、新卒の産業人材確保が極めて困難な状況となっている。その要因の一つとして、地方圏では専門高校の統廃合の動きが約3割と、大都市圏に比べて進んでおり、技術系人材の輩出力が低下している様子がうかがえる。
地域経済については、人口規模が小さい都市ほど、スーパーなどの卸小売りやガソリンスタンド、タクシー、運送といった生活関連サービスが撤退・廃業しており、サービス提供が困難な「空白エリア」が発生するなど、地域経済社会の基盤が損なわれつつある。
また、国内投資拡大の動きが見られる中で、新たな企業立地や地域企業による拠点整備に際して、「造成に係る用地の不足(38.1%)」「産業団地の不足(33.9%)」「土地の利用調整(31.2%)」など、受け皿不足に対する指摘も多く上がった。その他、道路・電力・工業用水をはじめとするインフラや鉄道・バスといった従業員の通勤手段、住居・商業機能など、投資先の周辺環境に対する課題も寄せられ、国内投資の拡大・呼び込みには、地域を俯瞰(ふかん)した戦略的な投資環境整備が不可欠であることがうかがえる。
