政府は10月1日、第8回「日本成長戦略会議」(議長・高市早苗首相)を首相官邸で開催し、「日本成長戦略実行計画」の策定などについて議論した。会議に出席した日本商工会議所の小林健会頭は、日本成長戦略の戦略投資の実効性を高めるには、まず足元の今後5年間の投資効果の高い分野に重点を置いた「実行計画」の策定が重要とし、特に民間の長期的な研究開発や、設備投資拡大のためにも、複数年度予算、税財政措置など「予見可能性」の担保が不可欠であると主張した。
小林会頭は、政府が年末までの策定を進める「実行計画」に対して①市場の信認を確保する「責任ある積極財政」の推進②潜在成長率の底上げに資する「八つの分野横断的課題」への対応③中小企業・小規模事業者などの成長基盤の整備・強化④地域への産業集積と民間投資の呼び込み――の四つの盛り込むべき視点を挙げた。
①では、戦略17分野のそれぞれの特色と時間軸を踏まえた予算を措置し、メリハリのある優先順位付けと、撤退や新たな分野追加といった見直しを柔軟に行える仕組みなどを求めた。
②では、「企業の稼ぐ力を高めるイノベーションへの挑戦支援」「人手不足解消に資する柔軟な働き方の推進と人材育成」「民間の挑戦を促す成長資金調達の多様化」の3点の対応が急務と言及した。
③では、賃上げと投資の好循環を支える重要な政策である「賃上げ促進税制」の延長・拡充、事業承継税制の特例措置の拡充・恒久化などを要望。また、「取引相場のない株式の評価の見直し」については、非上場の中堅・中小企業の税負担への影響や実態を踏まえた慎重な判断を訴えた。
④では、地域未来戦略の実効性を高めるため、国による確実な財政支援が不可欠であることから、「地域未来交付金」の拡充などを要請した。
高市首相は、会議での議論を踏まえ、高い水準の賃上げや民間設備投資の堅調な増加など、変化の兆しが見え始めていることから、「世界各国が国を挙げて長期的かつ大規模に産業政策を競い合っている中、『責任ある積極財政』により国内投資を引き出し『潜在成長率』を引き上げていくことが必要」と強調。また、「GDP拡大の下での好循環」を実現し、国民の不安を未来への希望に変えるため、政府の総力を挙げることを表明し、関係閣僚に必要な施策の検討を指示した。
