日本商工会議所はこのほど、9月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。9月の付帯調査では「BCPの策定状況」についてヒアリングした。調査対象は、全国321商工会議所の会員2388企業(有効回答数1893企業、回答率79.3%)。
BCP策定リソース不足
BCP(事業継続計画)の策定状況は「すでに策定済み」が26.3%、「現在、策定中」が8.7%と合わせて35.0%の企業がBCP策定に向けた取り組みを行っている。2024年2月調査からBCP策定に向けた取り組みを行っている割合はほぼ横ばいで推移しているが、策定済みの割合は増加している。
BCPを策定していない理由としては、「策定に必要なノウハウ・スキルがない」(42.1%)、「策定のための人的余裕がな い」(41.6%)が上位となり、知識・スキル面と人材面の両方においてBCP策定のためのリソースが不足しており、必要性を感じていても実際の策定作業に踏み切れない状況がうかがえる。
BCP策定や運用の見直しに当たり期待する支援策としては、「具体的な策定・運用事例集の提示」が47.1%と最も多くなった。次いで、「簡易な策定ガイドラインなどの提供」(38.9%)、「生成AIなどを活用して簡易に策定できるツールの提供」(32.5%)となった。BCP策定に割くリソースが不足している中、より簡便な手段でBCPを策定できる支援策が求められていることがうかがえる。
ヒアリングした企業からは、「能登半島地震もあり、BCPの必要性は認識しているものの、人材不足によりBCP策定が難しい」(医薬品製造業)、「BCP策定に当たって、商工会議所に相談を行い、簡単なガイドラインの提供をはじめとしたサポートをしてもらった」(菓子製造業)などの声が上がった。
リスク上位に 災害・感染症
策定(策定中)したBCPで想定しているリスクは地震が93.3%と最多となった。次いで、風水害(72.2%)、火災(56.0%)、感染症(42.3%)が並んだ。近年激甚化・多発化する自然災害やコロナ禍を経て、大規模な自然災害や感染症の発生を前提としたBCPを策定する企業が多くなっていることがうかがえる。
BCPを策定済みの企業では、「定期的に周知や訓練を実施」が46.9%、「他地域での災害発生時など不定期で周知や訓練を実施」が17.1%と合わせて64.0%の企業がBCPの実効性を確保するための取り組みを行っている。BCPを策定している企業では、その実効性を確保するための取り組みが高い割合で行われていることが推察される。
一方、BCPを策定しても「周知・訓練はできていない」企業も3割あり、策定したBCPの実効性を確保することが必要である。
