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Q&Aで納得!キド先生の消費税対策入門 vol.6(最終回)

社内体制整備と従業員教育

Q

キド先生、本年10月1日からの消費税率引き上げと軽減税率制度の導入が迫ってきました。準備対策として何から手を付けたらいいですか?

キド先生

もう一度、各地で開催している「消費税セミナー」に参加し、自社の課題を洗い出して、その対策を具体的にスケジュール化してください。

また、消費税の転嫁対策、価格表示、事務処理、請求書などの様式変更などについて、社内の準備体制を固めるとともに従業員への教育やトレーニングを徹底する必要があります。

消費税転嫁に係る社内研修の例

キド先生

社内研修におけるロールプレイ事例を紹介します。

あなたは、このようなお客さまに、どのように回答しますか?

【クレーマー対策の課題】

①「お前の会社の商品は9月以前(消費税率が8%の時)に仕入れたものだろう。それを10月になったからといって、10%の消費税をとるのかよ。お前との信頼関係はもうないと思えよ」

②「お前の会社に10%の消費税を払ったら、俺の会社のもうけがなくなる。もう少し値段を考えてくれよ」

【キド先生からのアドバイス】

①お客さまに「当社は消費税をもらっていない、預かっているだけ」という説明ができるように従業員教育を徹底する。

〈回答例〉

「当社は、お客さまから10%の消費税を預かって、当社の仕入税額と調整して国等に支払っております。そのため、お客さまが払われた10%の消費税は、きちんと税務署で処理されておりますので、安心して当社に渡した消費税分を御社の売り上げに係る消費税から控除してください」

②お客さまに「消費税率が10%になっても、利益に影響を与えない」という説明ができるように従業員教育を徹底する。

〈回答例〉

「消費税率が10%になっても、お客さまの利益に影響を与えません。消費税の本則課税の事業者は、原則として、受け取った消費税と支払った消費税の差額を国等に納付することになります。従って、本年10月1日以降で消費税率が10%となっても、その分だけ支払った消費税が増えるのですから、国等へ納付する消費税はその分だけ減少し、お客さまの損益には影響ありません」

消費税率引き上げに伴う資金繰りに注意

Q

キド先生、消費税率10%への引き上げにより、8%の時と比べ納税額は1・25倍に増加します。何か注意すべきことはありますか?

キド先生

企業損益に影響がなくても、左図のとおり、納税額は確実に増えます。納税時の資金繰りに困らないよう、普段から納税資金を確保しておく必要がありますよ。注意しましょう。

キド先生こと 城所 弘明(きどころ・ひろあき)

公認会計士 税理士・行政書士

横浜国立大学卒業後、1980年公認会計士および税理士に登録。現在、日本商工会議所「税制専門委員会」学識委員。著書に『これでスッキリ!改正消費税』『消費税マニュアル420問420答』(日本商工会議所:制作協力)などがある

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