日本商工会議所はこのほど、7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、米中貿易摩擦に伴うビジネスへの影響についてヒアリングした結果を発表した。米中貿易摩擦に伴うビジネスへの影響は、「現在影響がある」が前回(2019年2月)調査比0・5ポイント増の7・3%となった。「今のところ影響はないが、先行きに懸念がある」は同4・5ポイント減の52・3%、「影響は全くない」は同4・0ポイント増の40・4%となった。
具体的な影響(懸念含む)では、「企業業績の悪化・為替や株価の変動に伴う消費マインドの悪化」が43・6%で最多。「取引先の生産拠点・仕入れ先変更に伴う調達コストの上昇」(35・3%)、「国内取引先からの受注減少」(31・8%)が後に続いた。
これまでの調査結果と比較すると、直接の影響を受けている企業が増加した。一方で、調査期間がG20の米中首脳会談後であったため、追加関税「第4弾」の当面の見送りが表明されたことを受け、先行きの懸念を示す企業は減少したものと見られる。
ヒアリングした企業からは、「当社の製造部品は中国などのアジア向け製品に組み込まれており、貿易摩擦の影響は大きい。協議再開後も政治状況から予断を許さないと考えている」(計量器測量器製造)、「米中貿易協議の再開が合意されたが、貿易摩擦解消には至っていない。日韓関係も含め、間接的ではあるが、国際情勢の変動による景気への影響が今後の懸念材料」(旅館)といった今後の交渉について慎重に見る企業が目立った。
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