下松商工会議所(山口県)は、下松市特産の「笠戸ひらめ」を使った「きのこたっぷり笠戸ひらめのパエリア」(炊き込みご飯の素)を開発し、3月26日、市役所を訪れ國井益雄市長に試作品の完成報告を行った。新たな特産品開発により観光収入の増加と市民の意識付けを図り、地域の持続的発展を目指す。披露したのは1合用の缶詰と2合用のレトルトパウチ。食材は全て下松産、缶詰の缶も市内の事業者が生産するなど〝オール下松〟にこだわった。
同商品の開発のきっかけは、地域資源の掘り起こしを目的に2018年に立ち上げた同所ブランドプロジェクト委員会で、地元食材を用いた缶詰の製造が発案されたこと。市内に缶の素材となるブリキの製造販売会社、東洋鋼鈑があることが、缶詰商品に着目した理由だ。19年7~9月に日本商工会議所が特産品開発や販路開拓などを支援する「feel NIPPON 地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」を活用し、市場調査や特産品の認知度などを測るアンケートを実施、それを基に、地元の認知度が高かった笠戸ひらめを使った商品開発を始めた。
当初はアヒージョなども検討したが、特徴を出しにくいことからパエリアに絞り、専門家も交えて試作を重ね、このほど缶詰とレトルトパウチを完成させた。使用する食材は、笠戸ひらめをメインに特産品化を進めている「来巻(くるまき)にんにく」、きのこ(エリンギ、マイタケ、ヒラタケ)、レモンなど全て下松産だ。つくり方は、といだコメと一緒に炊飯器に入れて炊くだけ。パエリアパンを使って本格的なパエリアをつくることもできる。
國井市長からは「香りもよく笠戸ひらめの風味が感じられる。下松の特産品として全国に発信したい」と好評を得た。今後はさらに内容をブラッシュアップするとともに販売場所の選定や価格の設定などの検討を進め、2020年度内の商品化を目指す。
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