鹿沼商工会議所(栃木県)と那須烏山商工会(同)は、鹿沼の木工技術と那須烏山の和紙を融合させた御朱印帳を開発し、3月22日に鹿沼市の古峯神社と那須烏山市の烏山和紙会館内「和紙ファクトリー福の紙」で発売した。御朱印帳は表紙と裏表紙に鹿沼産のスギ材を使用。表紙は柄をくり抜いて裏の和紙の色を見せるデザインだ。「手鞠(てまり)」「風凛(ふうりん)」の2種類の柄を、木製収納箱付き1万円(税込み)で計100冊販売。初日で完売した。
鹿沼の木工業は、1636年の日光東照宮造営時に全国から宮大工や職人が集結したことに始まる。スギやヒノキなど良質な木材資源にも恵まれ、今日まで発展してきた。一方那須烏山の手すき和紙は、奈良時代から受け継がれる伝統工芸だ。
御朱印帳は、鹿沼市の伝統の祭り「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」と那須烏山市の「烏山の山あげ行事」(野外歌舞伎舞踊)のユネスコ世界無形文化遺産登録(2016年)を機に、新たな観光事業の創出を目指し2者が連携して企画。日本商工会議所の「feel NIPPON 地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」の一環として日本酒や観光ツアーなどと併せて開発を進めてきた。販売の好調を受け、同所は「御朱印ガールのブームに着目し、若い女性が〝かわいい、友達に自慢したくなる〟と思うデザインにした。共同開発によりこれまでとは違う地域の魅力を発信できる」と自信を見せる。御朱印帳の第2弾も企画している。
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