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「下町育ちの再建王」の経営指南 逆説思考の習慣を持つ

「もし今のこれが無かったら……」「もし今と正反対のことをやってみたら……」と考えてみることを逆説思考と言います。変化、成長、発展の多くは現状の否定、逆説思考から始まります。今を一部否定してみたらどう変わるか、といった逆説を立ててみることで次の道を切り開くことができるのです。

現在、隆盛を極めている事象の中には数十年前には誰が見ても実現不可能なことだと思われてきたものがたくさんあります。しかし、その成功は実現を信じて地道な努力を重ねてきた結果なのです。時代はどんどん変わっていき、それにつれてビジネス環境も変わっています。私たちの目の前には、常に大きな可能性が横たわっているわけです。過去に成功したからといって現状肯定に縛られていたら、次の時代を切り開くことはできません。

何期も連続して業績が思わしくない場合、謙虚な責任感があれば、「今のやり方では打開できないのでは……」とおのずと気が付くはずです。ただ、やり方を変えるための代案がなく、現状を継続しているという場合も少なくないようです。「変えたい。でも代案がない」というときに役立つのが、コンサルタントという広い視野を持った外部シンクタンクです。

コンサルティングは仮説に基づいて行います。私の場合はさまざまな船井流を駆使してきましたが、その会社が、今までやってきたやり方とは違った、まさに逆説思考となる場合も少なくありませんでした。依頼先の中には、コンサルタントの提案を聞いて、「自分たちがやってきたやり方と違うのでやっぱり依頼を中止したい」と申し出る方もいました。その場合、「だからこそ、やる価値があるのです!」と私は事例を挙げて説明してきました。

例えば、私が担当したカー用品店は、当初、親会社の関連商品だけを扱って伸びてきました。伸び止まりの時期に私とのお付き合いがはじまったわけですが、お客さまが「こんなものまであるの?」と驚くようなこまごまとした商品を店内に揃えるという船井流の『品揃え一番化』に戦法を変更しました。そして専門ジャンルの総合デパートとして生まれ変わることに成功。時代をリードする大ブランドに成長することができたのです。

「新しい考えを取り入れなければ進化できない」と逆説を立てて突き進んだ企業だけが、新たな可能性と改革の糸口を見いだすことができるのです。現状に甘んじず、逆説思考で代案を考える癖をつけてください。その思考習慣が、新たな道を切り開くのです。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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