日本商工会議所が7月17日に開催した夏季政策懇談会の第2部では、「地域の持続的な成長に必要な民間の役割と商工会議所組織・活動の在り方」をテーマに、三つの分科会に分かれ実施した。分科会では、地域活性化の実現に向けた商工会議所による取り組みや、商工会議所の機能強化に向けた対応について、各地商工会議所からの好事例の発表を交えて意見交換を行った。
各分科会の事例発表では、帯広商工会議所(北海道)の髙橋勝坦会頭、能代商工会議所(秋田県)の広幡信悦会頭、水戸商工会議所(茨城県)の大久保博之会頭、袋井商工会議所(静岡県)の水谷欣志会頭、呉商工会議所(広島県)の神津善三朗会頭、大牟田商工会議所(福岡県)の板床定男会頭が、地域活性化、中小企業支援、災害対応などについて事例発表を行った。
出席者からは、人手不足問題について、「移住促進・人材確保センターと一体となって、事業承継や人材確保・移住促進などに取り組んでいる」「人口減少・流出、後継者不足は深刻。地元の女性と地域外の男性との出会いの機会を創出しながら、定住する若者の増加を図っている」といった意見が出された。
創業・事業承継に対しては、「10年、20年先は若い人でなければ考えられないので、商工会議所は創業や事業承継支援などを通じて、若者たちの活動をサポートすべき」「女性経営者が事業承継を行うに際しては、承継先が親族や第三者であっても事前準備をしっかり行い、また、承継後も長い時間をかけ手厚くフォローアップを行う経営者が多い。事業承継の失敗例を見ると、準備や事後フォロー不足に起因することが多い」といった指摘が寄せられた。
観光振興に関しては、「県を超えた連携により、訪日客が増加傾向。宿泊先の不足などの課題に対しても、広域で役割分担してインバウンド需要を取り込みたい」「県内全ての商工会議所が連携し『産業観光図鑑』を発行し、産業観光を推進。これからは県連単位での取り組みが非常に重要」といった声が聞かれた。
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