少子化対策や地域活性化の観点から「婚活事業」に取り組む商工会議所は、全国で約170カ所、年間約280回、参加者数は2万2000人(平成25年度)にものぼる。定番事業だからこそ必要な創意工夫をした各地の事例を紹介する。
加賀商工会議所(石川県)は平成21年度から、会員事業所が抱える跡継ぎ問題や従業員の未婚について、地域の活性化対策を目的に婚活事業を開始した。同所職員や会員事業所の有志が中心となり、年に2~3回のペースでパーティーを開催。すでに99組のカップル、9組の結婚を誕生させた驚異の実績を誇っている。
毎回平均で男性は定員の2倍、女性は1・5倍の応募がある人気事業で、通算17回実施。6月27日に実施した「SWEETS婚活」にも、24人の男女が参加し、見事4組のカップルが誕生した。
同事業では、あらかじめ参加者の趣味や好みのタイプ、性格などを明記した「プロフィール帳」を作成。また、今誰が自分のことを気に入っているのかを聞けたり、アドバイスをしてくれる「キューピッドセンター」を会場内に設置し、短い時間でも確実にカップルが成立する工夫を行っている。
さらに、6月のパーティーでは、これまでの参加者アンケートで「同じ趣味を持つ者同士の婚活」や「料理などの共同作業をする婚活」の実施希望が多かったことを受け、スイーツ好きの参加者を募集。パーティーの中盤にもクッキーのアイシング体験教室を行い、共同作業を通じて会話のきっかけと和やかな雰囲気をつくり出した。
参加者からは、「会議所が主催のため、非営利目的で参加しやすい」との声が多い。また、男性参加者の75%が会員事業所の従業員であることから、女性参加者からは、「会議所に加入している堅実な企業に勤めている人が多いから安心」との意見が挙がっている。
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