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コラム石垣 2014年12月11日号 中村恒夫

消費税率の10%への引き上げが先送りされることになった。与党だけでなく大半の野党も、当初予定されていた2015年10月の引き上げには否定的であり、総選挙の結果がどうあれ、安倍首相が言った通り、実施は17年4月以降になるだろう。財政の健全化や社会福祉財源の充実に影響が及ぶのは必至だが、逆に引き上げまで時間的余裕ができたのだから、企業経営者としては、十分な対策を練っておきたいところだ。

▼今春の増税で明らかになったのは、引き上げは個人消費に極めて大きな影響を及ぼすということだ。駆け込み需要の反動があるのはもちろん、家計の収入が大きく増えない中で、税の転嫁によりモノの値段が上がれば消費は冷え込む。当然の事象が起きたともいえる。今後、政府が企業に対して賃上げを要請しても、大きな成果を上げるのは容易ではない。次回の増税後も消費の落ち込みは避けられないと見ておくべきだ。

▼まず、売上減少を想定した資金繰り対策が欠かせない。それには、企業であれ、個人であれ、引き上げによって購買意欲がどの程度減退するか、顧客の意向をあらかじめ入念に分析しておく必要がある。

▼もちろん、税率引き上げに関係なく、一定の売上を確保できる商品やサービスをそろえるのが先決なのは言うまでもない。競争力のある製品開発を急ぐと同時に、需要の変化を先取りするマーケティング力があらためて問われる。一方で、税率引き上げを単に経営のマイナス要素と受け止めるのではなく、事業内容を見直す好機だと前向きに捉えることもできる。例えば、採算割れの状態が長く続くと見込める商品やサービスがあるのなら、思い切って撤退する案も検討すべきであろう。

(時事通信社経理局長・中村恒夫)

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