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コラム石垣 2014年9月21日号 神田玲子

第二次安倍改造内閣に5人の女性が加わった。最近では、役員に女性を登用する民間企業も増えてきている。

▼こうした女性登用の流れを定着させるには、多様な働き方を認めることが必要だ。その実現には、次の3つの取り組みが欠かせない。まずは、一律の労務管理を改めることだ。業務には、労働時間や場所が直接仕事の成果に影響する業務と、そうではない業務とがある。それぞれの業務内容に適した働き方ができるように、評価方法を含めて管理の在り方を見直すべきだ。

▼2つ目は、年功序列型の昇進制度を見直すことだ。これまでのような男性の論理の押しつけは禁物だ。職階が上がって、給料が増えれば満足するはず、という固定概念は女性には通用しない。女性の価値観は多様化しており、本人の意欲についても確認をしながら進めていく慎重さが必要だ。もっとも、女性に限らず、特定の専門分野の経験を積みたいという希望を抱いている若い人も増えているのではないだろうか。そういう人にとっては、雇用保障と引き換えに、自分の意向とは関係なく、さまざまな部署を異動する昇進制度は、かえってマイナスに映るだろう。

▼3つ目は、単に働く時間の短縮化だけに問題を矮小(わいしょう)化してはならないということだ。働く人が、自分のキャリア選択を行い、自分で職を選べる労働市場に変えることが重要だ。もちろん、自分で仕事を選択する以上、成果に対する責任も重くなる。従って、全ての人に対して、こうした環境を提示することは難しいだろう。少なくとも、日本経済をけん引する3~4割の中核となる人々が、そうした意識をもって働くことのできる社会にする必要がある。

(神田玲子・総合研究開発機構研究調査理事)

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