コラム石垣 2014年7月11日号 中山文麿

5月、文部科学省は女性の活躍支援策の一つとして放課後子ども教室を全国に2万カ所まで増設する計画を発表した。これは厚生労働省の放課後児童クラブとともに児童を抱えて働く女性にとって必要不可欠なものだ。子どもたちにとっても正規の授業のほかに、それとは異なった視点から学べることになり大変好ましい。

▼地域の人々、とりわけシニアの方々は、教員免許がなくても子ども教室に先生として積極的に参画し、自分たちがやってきた貴重な経験を生きた教材として語ってもらいたい。高等教育においては企業人が客員教授や特任教授といった肩書で実務家教員として大学で教えている。

▼現在、過半の大学生は就職活動を行うときになって初めて自分の将来の職業を考える。しかし、これでは遅いのである。学ぶ目的を持たないで中等・高等教育課程を過ごすことは誠にもったいない。本来、学問というものは自分が将来やりたい仕事をイメージしながら取り組むものである。

▼したがって、今回の子ども教室増設を機会に、できれば初等教育の段階から無意識のうちにそのような精神が養成されるような教育環境を地域の人たちと一緒になって構築したいものだ。

▼子ども教室に参画した地域のシニアの方も子どもたちから元気がもらえる。このように地域の人たちが交流する場として市民会館に加えて学校も活用できればと思う。

▼少子化に伴って廃校となった校舎を活用して、市民が集う場として多目的に利用できるようにしたい。地域力が求められる中、規制緩和や安全に対してさまざまな課題があることも事実だが、学校を核とした地域作り、スクール・コミュニティ作りについて真剣に考えてみたい。

(中山文麿・政治経済社会研究所代表)

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