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コラム石垣 2014年7月21日号 神田玲子

熱気に包まれたサッカーのワールドカップが終わった。世界中からサポーターがブラジルに集まり、試合を盛り上げた。そんな中、リオでこんなネット・ビジネスがあるという。外国から来た観光客に、現地在住の英語を話せる友達を紹介するというものだ。依頼者は、友達になってもよいと登録されている人の中から一人を選び、両者が合意すれば、取引は成立する。観光客が支払う料金は、一日当たり上限150ドル。

▼地元のことをよく知っている人が案内してくれるので、ガイドブックに載っていない人気のお店や観光スポットを楽しむことができる。ブラジルに限らず、他の地域でもサービスが提供されており、すでに3000人以上が地元の友達として登録されている。

▼見知らぬ土地を訪問する場合、地元のことを熟知し、英語で意思疎通ができ、かつ、信頼できる人がいれば、さぞかし安心だろう。一方、登録している地元の人からみれば、現地のことは相手よりも自分の方が詳しいし、相手のことをネット上で調べることで安全性を一定程度、確認することもできる。とはいうものの、法的な規制もなく、一つ間違えれば問題も起こりかねない。簡単に誰でも事業を始められることはネットのメリットだが、事業者本人は果たして、どこまで安全性のことを検討しているのか。事業者の社会的な責任はどこまで問われるのか。

▼21世紀は情報化社会が本格化する。ネット・ビジネスはあらゆる産業や分野の成り立ちを大きく変える力を持っている。ネットによる取引の質を高い水準に維持し、そうでないものは淘汰(とうた)されていかなければならない。そのための仕組みづくりが問われている。

(神田玲子・総合研究開発機構研究調査理事)

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