日本商工会議所は1月18日、野田聖子総務大臣との懇談会を都内で開催した。日商の三村明夫会頭は、足元の景況感について、人手不足の深刻化による人件費や仕入単価の上昇などが見られるものの、個人消費が持ち直しつつあり、景況感は緩やかに改善していると指摘。一方、深刻化する人手不足への対応として、女性をはじめとする多様な人材の活躍を促すための環境整備や、中小企業へのIT導入促進などにより、今後一層の労働力確保と生産性の向上を図る必要があると強調した。
懇談会には日商から三村会頭はじめ、尾崎裕副会頭(大阪・会頭)、山本亜土副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、立石義雄副会頭(京都・会頭)、家次恒副会頭(神戸・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、深山英樹副会頭(広島・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、礒山誠二副会頭(福岡・会頭)、渡邊智樹副会頭(高松・会頭)、村瀬幸雄常議員(岐阜・会頭)、和合アヤ子女性等活躍推進専門委員会共同委員長(福島・副会頭)、姫野淸高IoT活用専門委員会共同委員長(大分・常任顧問)ら17人、総務省からは、野田大臣はじめ幹部9人が出席した。
三村会頭は、中小企業の生産性向上に向けたICT・IoT活用について、専門人材不足やコストなどの理由から中小企業におけるICT投資が進んでいない現状を指摘。新たな補正予算による中小企業におけるICT導入の促進に期待を寄せた。
野田大臣からは、今は一極集中している東京でも人口減少・高齢化が進み、日本は2040年頃に最大の危機を迎えることから、今から先を見据えた対策を講じていかなければならないといった発言があった。また、女性の活躍は、働き方改革と一体となって進める必要があるため、女性の力を引き出す施策の発信に向け、商工会議所の協力を求めた。
意見交換では日商からは、福島における女性の社会進出促進に向けた支援活動の報告や、伴走型支援活動の原資となる都道府県の小規模企業振興対策予算が減っていることから、予算の維持・拡充を要望した。また、震災復興の現状や日本産食品に対する中国・韓国・台湾など諸外国による輸入規制の撤廃への支援、観光振興、事業承継問題に都道府県が積極的に取り組むよう総務省からの指導を求めたほか、地元における地場産業や特産品を活用した地域ブランドづくりの取り組みについて説明した。
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