日本商工会議所は1月31日、1月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は1月16~22日。全国422商工会議所が3872企業にヒアリングした。
1月の全産業合計の業況DIは、マイナス14・4と、前月からマイナス1・1ポイントの悪化。電子部品や産業用機械、自動車関連を中心とした生産や、インバウンドを含めた観光需要は堅調に推移するものの、深刻な人手不足の影響に加え、鉄鋼、農産物などの仕入価格や燃料費の上昇による収益圧迫から、建設業や飲食・宿泊業などサービス業の業況感が悪化した。ただし、「好転」から「不変」への変化も押し下げ要因となったことに留意が必要。中小企業の景況感は、総じて緩やかな回復基調が続いているものの、足元で一服感が見られる。
ヒアリングした企業からは、「インバウンド需要に加え、越境EC(インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引)が好調で、取引先の化粧品業界からの受注が増加している。そのため、能力増強を目的とした設備投資を急きょ実施した」(紙製品製造)、「消費者の低価格志向から売り上げが伸び悩んでいることに加え、人件費や電気代などが増加し、採算が採れなくなっている」(スーパーマーケット)といった声が寄せられた。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス13・6(1月比プラス0・8ポイント)とほぼ横ばいを見込む。個人消費の持ち直しやインバウンドを含めた観光需要拡大、輸出や設備投資の堅調な推移、補正予算などへの期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響拡大や、原材料費・燃料費・運送費の上昇、コスト増加分の販売価格への転嫁遅れを懸念する声も多く、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通しだ。
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