政府は8月24日、平成28年度第2次補正予算案を閣議決定した。同補正予算案は、8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」を実行するためのもので、一般会計における追加の歳出は、4兆1143億円。経済対策で示された一億総活躍社会の実現やインフラ整備などに充てる。政府は今月に召集される予定の臨時国会に補正予算案を提出し、早期成立を目指す。
一般会計における追加歳出は、経済対策3兆9871億円と東日本大震災復興特別会計への繰り入れ1272億円の計4兆1143億円。経済対策は、特別会計も含めると4兆5221億円となる。
内訳は、「一億総活躍社会の実現の加速」に7137億円、「21世紀型のインフラ整備」に1兆4056億円、「中小企業・地方の支援」に4340億円、「震災からの復興・防災対応の強化」に1兆9688億円。中小企業対策は、日本商工会議所が7月に取りまとめた「平成29年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」などで求めていた「ものづくり等補助金」やIT活用支援などが盛り込まれた。また、小規模事業者が商工会議所などと一体となって経営計画を作成し、販路開拓に取り組む費用を支援する「小規模事業者持続化補助金」も計上された。
一方、一般会計の歳入については2兆7500億円の建設国債の発行で大部分を賄う。前年度の剰余金や低金利のため国債の利払い費が減る分なども活用する。
麻生太郎財務大臣は記者会見で、今回の補正予算が個人消費や企業マインドに与える影響について、「波及効果はある」と言及。また、当初予算と補正予算を合わせた歳出予算総額が100兆円を超えたことを懸念する声に対して、「基礎的財政収支の2020年度までの黒字化という方向を変えているわけではない」と述べ、財政健全化目標を堅持してく考えを示した。