政府は16日、第39回未来投資会議を首相官邸で開催した。兼業・副業の促進、フィンテック/金融、デジタル広告市場、今後のウィズコロナ、ポストコロナ時代の成長戦略の立案に向けた方向性をテーマに議論。オンラインで会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭はポストコロナの成長戦略に関して意見を述べた。
1点目は議論の在り方について、「来月取りまとめる『骨太の方針』『成長戦略実行計画』において、これまで順次議論を重ねてきた個別の政策議論をピン留めし、その着実な推進を図ることが重要である。その一方、この大災難を好機として、わが国の将来を見据え、より戦略的な議論にチャレンジすべき」との認識を示した。その上で、「このコロナ禍を通じて、われわれは多くのことを学び、また今でも学びつつある。世界中でさまざまな構造的問題が露呈し、各国との比較を通じて日本の強み・弱みがクリアになった。例えば、中国や欧州のような強制によらず、国民の協力に根差した感染症防止を可能とする国民性は強みである一方、デジタル化の遅れなどの課題が改めて明らかになった」と、グローバリズムにおける安全保障や国際協調の問題を強く意識するとともに、政府の役割や中小企業の役割についても再認識が必要と強調。「これらの危機を通じて顕在化してきた課題を総体として捉え直し、適切な分析も加えて、一度、網羅的・包括的な整理を試みて、日本がどのような将来を選択し、そのために何をすべきかについて、特に重要な論点に絞って議論を深めるのはどうか。骨太の議論には、「骨太の方針」「成長戦略実行計画」とは別に取り組む場が必要である。さらに、包括的な課題の整理に当たっては、評価に時間を要するものがあると思われ、結論を急がずに必要な時間をかけて取り組むべき」と述べた。
2点目は懸念される第2波・第3波の感染拡大への対処について表明。「再度、経済収縮が起きることは何としても防がなくてはならない。国としてのBCPの確保という観点から必要な財源も投入し、政府として確固たる対策を実施してほしい」と要望し、「特に、対策の鍵を握ると思われる検査や医療体制の構築については数値目標とスケジュールを明確に掲げて取り組むことが必要」との考えを示した。
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