中津商工会議所(大分県)が出願していた地域団体商標「中津からあげ」がこのほど商標登録された。平成26年8月1日から、商工会議所や商工会、特定非営利活動法人(NPO)も地域団体商標を出願することが可能となって以降、商工会議所からの出願が商標登録されたのは今回が初めて。
「中津からあげ」は、大分県中津地方に由来する製法で製造された鶏のからあげ。国産鶏を使用し、ショウガ、ニンニクをベーステイストとした店舗独自の調味液に浸した後、油で揚げる。大きく、しょう油味と塩味に分かれる。各店舗では商品のつくり置きはせず、注文を受けてから揚げるのが特徴だ。
近年のご当地グルメブームで全国的な認知度のある「中津からあげ」の起源は終戦直後にさかのぼる。鶏肉の産地でもあった中津地域で製造販売され、昭和40年代中頃より地域の消費者に広く食されるようになった。
地域団体商標は、地域ブランドの適切な保護を目的に、信用力の維持による競争力の強化と地域経済の活性化を支援することを目的とするもの。商工会議所などが使用する「地名+商品(サービス)名」からなる商標について、一定の要件を満たした場合に登録を認める制度として普及している。
同制度は平成18年4月に導入され、これまでに580件以上が商標登録されている。平成26年5月に、日本商工会議所からの要望により商標法が改正され、地域団体商標を登録できる主体の範囲が商工会議所、商工会、NPOにまで広がった。
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