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こんなときどうする会社の法律Q&A 【今月のテーマ】赤字の中小企業者等が、法人税の還付を受けるためには?

Q 当社は資本金9000万円・従業員100人の青色申告法人です。近年は、業績が低迷しており、前事業年度はやむを得ず粉飾して何とか黒字決算にし、法人税を納付しました。しかし、当事業年度は大幅な赤字決算となることが明らかです。会社の解散も考えています。そこで、前事業年度で納付した法人税を還付してもらいたいのですが、どのような方法がありますか?

A 御社の場合、以下の2つの還付方法があります。

①(前事業年度の)粉飾決算を修正し、更正の請求書をする。

②欠損金の繰戻しの還付請求をする。ただし、この制度は国税のみが対象です。地方税は対象となりません。

※還付は税務調査を経た後になります。

粉飾決算を修正する

経営不振に陥ると、銀行から融資を受けるため、あるいは入札参加資格を保持するためなどの理由から、仮装経理(いわゆる粉飾決算)を行ってしまうことがあります。そんなとき、払い過ぎた法人税を還付してもらうには、どのような方法があるでしょうか?

一つ目は、所轄の税務署へ「更正の請求書」を提出する方法です。既に行った申告について、納付すべき税額が多すぎたことを申告(過去の粉飾決算を白状)し、還付をしてもらいます。ただし、請求できる期間は、法定申告期限から5年以内に限られます。以前は、1年間しか遡れませんでしたが、過去5年分まで遡れるように法改正されました。

欠損金を繰り戻す

二つ目は、欠損金の繰り戻しの還付請求をする方法です。ただし、欠損金を繰り戻してもらうためには、次の要件が必要になります。

①還付所得事業年度(欠損金繰り戻しの対象となる所得金額および所得税額の生じた事業年度)から欠損事業年度(当該欠損金の生じた事業年度)まで、連続して青色申告書を提出していること。なお、欠損事業年度は、青色申告書を提出期限までに提出した法人に限られます

②清算中の事業年度の欠損金でないこと

③還付事業年度は、欠損事業年度の開始の日の前1年以内に開始した事業年度であること

ただし、現在のところ、この欠損金の繰り戻しができるのは、資本金が1億円以下の中小企業者に限られています。また、期間が限定(平成28年3月31日までに終了する事業年度に生じた欠損金のみに適用)されていることにも、注意が必要です。

解散などをした場合は?

「会社の解散等」とは、解散(適格合併による解散は除く)・事業の全部譲渡・会社更正手続の開始などが生じた場合を言います。この場合、その事実が生じる1年前までの事業年度、または、その事実が生じた事業年度に欠損金があれば、欠損事業年度開始前1年以内の事業年度の法人税の還付請求が可能です。この方法であれば、全ての法人が還付請求できます。ただし、次の要項を満たす必要がありますので、留意してください。

①還付事業年度から欠損事業年度まで連続して青色申告書を提出していること

②欠損金の還付請求は、解散等の事実が生じた日から1年以内にすること (公認会計士・米谷 齊)

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