東京商工会議所は2月26日、「ムスリム体験バスツアー ~ハラール食・礼拝・マナーを体験!~」を開催した。同ツアーは、年々ムスリム(イスラム教信仰者)の訪日旅行者数が増加することを受け、実際に体験することで、受け入れ体制やハラールビジネスに結び付けてもらおうと企画したもの。開催前から注目を集め、申し込み受け付けを開始してから1週間で定員に達するなど、人気ぶりを見せた。
当日は、観光業や食品業の経営者など約30人が参加。まず、日本ハラール協会の四辻英明理事によるムスリムマーケットに関するセミナーを開催し、基礎知識や事例のほか、ビジネス展開のポイントなどを紹介した。
その後、都内の「新宿タカシマヤ」にある、百貨店としては日本で初めて設置された「祈祷室」を視察。百貨店の担当者から設置の経緯や利用状況などの説明を受け、参加者らは見識を深めた。さらに、昼食時は浅草の和食屋「成田屋」に移動。参加者らは店主から原材料や調味料、調理方法などの説明を受け、実際にハラール認証された和食弁当を試食した。その後、「東京ジャーミー・トルコセンター」を訪れ、実際に礼拝を体験。同センターの担当者から、歴史・モスク・礼拝・断食について案内を受け、ムスリムの習慣への理解を深めた。
参加者からは、「宗教の側面まで実体験できて、大変勉強になった」「情報収集が難しいイスラムビジネスの知見を広めることができた」と大変好評を得た。同所では、昨年12月にも「ムスリム観光客受け入れ対応セミナー」を実施しており、今後もハラールマーケットに進出したい会員企業などの要望に応える企画の実施を見据えている。同所は、「ムスリムの方々を正しく理解することがビジネスチャンスにつながる」と話している。
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