各地商工会議所を通じて集まった逸品を、週替わりで東京・秋葉原の食のテーマパーク「日本百貨店しょくひんかん」で販売する「地域うまいもんマルシェ」が好評開催中だ。店舗で販売された人気商品の「こだわり」に迫る。
釜石商工会議所は、釜石市内の水産加工業、金弁(かなべん)商店から伝統的な赤色の「さんまのみりん干し」とそれを改良した無添加・無着色のみりん干し、「さんまの塩麹(こうじ)干し」を出品した。同市は近代製鉄発祥の地である一方漁業も盛ん。特にサンマは豊富な水揚げ量を誇り、地元では刺し身やたたき、みりん干しなどが日常的に食されている。
金弁商店は、昭和40年の創業以来、釜石港に水揚げされた三陸の水産物を一つ一つ丁寧に加工し、市内の魚屋、市場、スーパーなどに卸している。「さんまのみりん干し」のほか、イクラやスルメイカの丸干しなども人気だ。
「さんまのみりん干し」は、三陸産の前浜物を伝統的な製法で製造。甘めの味付けと濃い赤色の仕上がりが特徴だ。同社は東日本大震災で被害を受けたが1年半後に再建、その後市場のニーズに合わせて無添加・無着色のみりん干しも開発した。また、「さんまの塩麹干し」は釜石のしょうゆシェア80%以上を占めるしょうゆ醸造会社の塩こうじを使用して製造。塩こうじとゴマのみで味付けした自然なうまみが味わい深い。
ブースでは来店者に試食を提供しアピールした。「近年サンマの水揚げ量が減っているが、変わらない釜石名物を新たな商品として知ってほしい。消費者の意見も聞ければ」と同所はPRに意欲を見せている。
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