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「下町育ちの再建王」の経営指南 目標の再検討

私は2020年の東京オリンピックが終わったら不景気になりますと、言ってきました。大会までの準備中は好景気で、海外からも沢山のヒト、カネ、モノが集まります。1964年のオリンピックではその翌年から不景気になった、前のオリンピック後の状況を見ても明らかではないでしょうか。値上がりしている東京の不動産なども、2021年からは下がると思います。

バブルが弾けてちょうど30年。立ち上がれるという明るい気持ちに慣れてきた今、確実にくる明日の不景気に対し、皆さんはどのような準備をしているでしょうか。

今回迎えるのは日本の不景気だけではありません。もしアメリカが世界の警察をやめたとしたら、世界情勢は急激に変わります。

ある筋によると、習近平氏とトランプ氏の間では、東アジアの覇権は中国に、中東の覇権はロシアに、ヨーロッパの覇権はドイツとイギリスに渡すという話が進んでおり、だからこそ北朝鮮が急に動いた、という噂があります。そうすると、遅かれ早かれ米軍は日本から撤退するでしょう。中国が世界経済を握るのですから、尖閣問題も新たな局面を迎えるに違いありません。

統計から見ると、9年か10年ごとに好景気と不景気が交互に来ています。また、800年ごとに東洋と西洋の覇権が動くという村山節(みさお)さん(1911〜2002年)の『文明法則史学』を紐(ひも)解いてみても、現在、歴史の分岐点が来ている可能性を感じるのです。

この10年の間に覇権の構造が変わり、世界が激変するかもしれない。少なくとも2年後には景気が下降し、超高齢社会となるこの国では、その後自力での好景気は全く期待できないことは想像できると思います。

例えばパチンコ業界を例にとると、20数年前のピーク時には30兆円あった規模が今は18兆円。当局の規制がさらに強化され、2021年には12兆円にまでマーケットが小さくなると予想されています。業界規模の縮小により地域1番店か2番店しか生き残れない冬の時代が来ます。今もうかっている店舗でも、3番店以下ならば、今のうちに次の事業を始めないといけません。

対岸の火事とせず、皆さんの企業はこれからどのように経営していけばいいのか、考えていただきたいのです。2年後から深刻な不景気になることが分かっている、こういう状況は今までありませんでした。「君子は豹変(ひょうへん)す」の言葉のように、経営を維持するためにはトップはいつ考えを改めてもいいのです。

2年先から始まる不景気を耐えるための準備は、景気が良い今のうちに行うしかありません。目標の再検討をしてください。

※日本の文明研究家

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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