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「下町育ちの再建王」の経営指南 〝らしくない〟が新しい切り口を生む

「ニワトリ会議をしてはいけない」という言葉をご存じでしょうか。鶏は群れの中の傷ついている鶏を見つけると、寄ってたかって傷口をつっついて最後には殺してしまうそうです。〝ニワトリ会議〟は鶏の習性になぞらえて、会議で誰かの失敗を突っつくことをいいます。何かを成し遂げようとする時、失敗は付きもので、大事なのは、全員で問題を解決して次のチャレンジをすることなのです。

この話はフィクションですが、故・本田宗一郎さんをモデルに彼の考え方について書かれた、『ニワトリは殺すな』Donʼt Kill a Cock(著者/訳者:ケビン・D・ ワン 幻冬舎2003年刊行)という単行本にあったもので、ほかにも学ぶべき言葉がたくさん出てきます。

・研究開発というものは失敗の繰り返しであって、99%は失敗を覚悟しなければならない

・何よりも『試したがり』が肝心だ。まず第一歩を踏み出せ

・失敗をおかした原因を追及して反省し、二度と同じ原因で失敗しないことが肝心

・自分をベテランだと思った瞬間から没落は始まる

・商品は絶対に嘘(うそ)を言わない

・消費者は、非常に厳正で鋭い感覚を持つ批評家である

・相手の身になって考えることで初めて人間が見えてくる

など、核心をついた心に浸みる言葉ですが、この哲学はものづくりに限らず、すべての仕事に共通して言えることです。

私個人の話をすると、このところ病院に行くたびに暗然とした気分になります。予約を入れても1時間以上待たされて定期健診ならまだしも、調子が悪い人も堅くて狭い椅子で待たされ、何ら改善される様子はありません。それが大学病院〝らしい〟のかもしれませんが。世の中には〝らしくない〟病院もあるのです。

心臓手術で〝神の手を持つ男〟と呼ばれる医師、須磨久善さんが構想から関わった『葉山ハートセンター』という病院は、患者が少しでも気分良く過ごせるように、院内に消毒薬の匂いもなく、ゆったりとしたソファーは、まるでホテルのような雰囲気。結婚式場と間違えて来てしまった人がいるくらい、病院〝らしくない〟病院で有名です。考えてみると 〝らしくない〟は、新しい切り口です。予想外であるために、人の心を数倍動かすに違いなく、付加価値のある商品となる可能性があります。既存のサービスを否定するつもりはありませんが、自分が一人の客として体験していることを、プロの目でじっくりと見直すことが大事なのかもしれません。

時流の変革期を迎え、すべての企業が新業態創造の必要性に迫られています。失敗を恐れず小さくてもいいから新しいビジネスを生みだしましょう。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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