離婚リスクから女性を守るRe婚相談所を開設
株式会社Bonheur 代表取締役 中山 多恵子(なかやま・たえこ)
離婚相談をワンストップで多角的な支援目指し起業
女性にとって離婚は大きなリスクを伴うものです。精神的、経済的に不安定になる中、本当に必要な情報は少なく、どこに相談すればよいか分からない。こうした女性たちを支援しようと、2016年に起業、離婚相談事業を開始しました。
この事業に着目したのは、私自身が12年間の結婚生活を、夫のモラルハラスメントに悩み、心から幸せを感じられずに過ごしたことが背景にあります。辛い気持ちに気付かないふりをして、「結婚したからには離婚しない。どんな困難も乗り越えよう」と努力しましたが、結婚10年を過ぎる頃には耐え難くなり、子どもたちへの影響や家族一人ひとりの幸せを考えて離婚を決意しました。
しかし、いざ離婚となると、さまざまな問題に直面しました。弁護士に相談すれば全て解決すると思っていましたが、弁護士には法律以外のことを相談できるわけではなく、個々の問題は、それぞれ専門家に相談する必要があることを知りました。何でも相談できる「離婚相談所」は、あるようでないのです。
この辛い経験を通して、離婚に関する情報がワンストップで得られ、状況に応じて注意点やサービス、専門家を紹介してもらえる場の必要性を強く感じました。身近にそういう場がないなら情報を集約できる総合プラットフォームをつくろう、そしてばらばらに存在する専門家やサービスと相談者をつなぎ、相談者が未来に進むために、多角的に支援する専門家を養成しようと思いました。
結婚を見直す「Re婚」提案
離婚から1年3カ月後、社会経験のない主婦からBonheur(ボヌール)を起業し、「Re婚相談所」を開設。同時に弁護士や行政書士、保険会社などの支援事業者とネットワークを構築し、離婚準備支援協会を設立しました。社名のBonheurはフランス語で「幸せ」という意味です。「幸せを感じられる社会を目指して輝く女性を応援する」を理念に掲げ、相談事業を中心に、専門家と連携して女性のさまざまな問題の早期解決を目指す無料相談展示会「ボヌールフェスタ」などのイベントも行ってきました。
離婚相談所を「Re婚」としたのは、「このまま結婚していてよいのか」と思ったら、まず結婚生活を「見直し、向き合い、改善する」ことを考えてほしいとの思いから。離婚はあくまでも選択肢の一つであり、離婚しても復縁しても女性や家族が幸せになることが大切です。Re婚を考えることで、離婚以外の選択肢や可能性が増え、後悔することも少なくなるため、早期の相談を呼び掛けています。
現在は、幸せな夫婦・家族を持続可能にするための研究としての婚活事業や、離婚後の支援、横浜市のまちづくり事業「横浜ローズプロジェクト」の事務局、女性と子どもの自立支援など幅広く活動しています。今後も、心から幸せを感じて未来を描く女性が増えるようお手伝いをしてまいります。
会社データ
社名:株式会社Bonheur(ボヌール)
所在地:神奈川県横浜市中区太田町2-23 横浜メディア・ビジネスセンター6階
電話:050-3634-0829
創業:2016年
事業概要:サービス業(離婚相談所、ワークショップ・イベント運営、アプリケーション開発)
※月刊石垣2019年3月号に掲載された記事です。
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