日本商工会議所の1~7月の活動を写真とともに振り返る
訪タイ・マレーシア経済ミッション
協力関係強化に成果
日本商工会議所は1月31日~2月6日、三村明夫会頭を団長とする「訪タイ・マレーシア経済ミッション」を派遣した。ミッションには、総勢79人が参加。タイのプラユット・ジャンオーチャー首相、マレーシアのナジブ・ラザク首相との会談や現地経済界との懇談会などを開催。良好な経済関係の構築、進出日系企業のビジネス環境や投資環境の改善などについて意見交換を行った。
三村会頭は、プラユット首相との懇談で、「タイは日本とともにグローバル・バリュー・チェーンの中核を担っていく」とタイの将来性に対する期待を表明した。また、続くナジブ首相との懇談では、マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画について、安全性、信頼性、ライフサイクルコストなどに優れた日本の新幹線方式の採用を求めた。
会頭視察
全国を精力的に訪問
日本商工会議所の三村明夫会頭は3月22日、埼玉県春日部市の首都圏外郭放水路を視察した。東京商工会議所と国土交通省が立ち上げた官民連携促進プロジェクトの第一弾として実施されたもの。石川雄一関東地方整備局長、石川良三春日部市長らも同行した。
6月15日、富山市を訪れた三村会頭は、富山駅から北陸信越ブロック商工会議所との懇談会の会場まで、市内電車環状線「セントラム」に乗車した。社内では、森雅志富山市長と髙木繁雄富山商工会議所会頭から、市が進める電車を生かしたコンパクトシティーづくりについて説明を受けた。
6月25、26日の2日間、日商は「東北六魂祭等視察会」を開催した。6回目となる今年の六魂祭は青森市で開催。三村会頭をはじめ、総勢40人以上がパレードなどを見学した。26日には、黒石市を訪問し、黒石商工会議所との懇談会を開催。その後、7色の稲を絵の具代わりに巨大な絵を描く「田んぼアート」や「こみせ通り」を訪れた。
7月8日、三村会頭は岩手県釜石市と大船渡市を訪問。釜石商工会議所ならびに大船渡商工会議所との懇願会を開催し意見交換するとともに、市街地の復興状況などを視察した。
TPP早期国会承認求める
安倍首相に直接要望
日本商工会議所、一般財団法人日本経済団体連合会、公益社団法人経済同友会、一般社団法人日本貿易会は7月13日、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の早期実現を求める要望書を共同で取りまとめ、関係各方面に提出した。日商の三村明夫会頭ら各団体の首脳は当日、首相官邸へ安倍晋三首相と石原伸晃TPP担当大臣を訪問。要望書の内容の実現を強く求めた。
三村会頭は、「TPP協定は中小企業の立場においても絶対に必要」と強調。「日本が率先して承認することで、全体のプロセスを早めるとう大きな意義がある」と述べ、TPP協定の早期国会承認を求めた。安倍首相は、「TPP協定は成長戦略の柱。日本がリーダーシップを発揮して、率先してTPP協定を承認することで各国を動かしていきたい」と述べた。
全国商工会議所観光振興大会
「京都アピール」採択
日本商工会議所は7月11~13日、京都商工会議所、京都商工会議所連合会とともに、京都市で「全国商工会議所観光振興大会2016㏌京都」を開催した。大会には全国から約1400人が参加。「2020年オリンピック・パラリンピック開催に向けた交流文化・観光創造」を大会テーマに、文化を通じた観光立国や地方創生について議論を深めた。全体会議では、観光の視点と知恵をあらゆる産業活動に生かすことなどを盛り込んだ「京都アピール」を採択した。
全体会議の冒頭にあいさつした日商の三村明夫会頭は、「観光振興は地方創生の有効な切り札」と強調。政府が掲げた2020年の訪日外国人旅行者数4000万人という目標の達成に向け、空港・港湾の能力増、宿泊施設の充実や出入国審査などソフトインフラの改善を求めた。
主要閣僚らと相次ぎ懇談
経済再生へ意見交換
日本商工会議所は1月21日、林幹雄経済産業大臣との懇談会を都内で開催した。日商の三村明夫会頭は、経済の好循環の実現に向けた政策課題として、「消費税の軽減税率への対応」「電力コスト」「人手不足と人口減少・少子化対策」「地方創生」の4点を挙げ、「民間の活動の後押しとなる事業環境整備を、スピーディーに実行してほしい」と要請した。
3月16日、日商は石破茂地方創生担当大臣との懇談会を都内で開催した。三村会頭は、全国で約8割の商工会議所が、地方版総合戦略の策定に協力している現状を説明。「今後、戦略の実行段階に移るが、全国各地において、商工会議所の意見を尊重してほしい」と述べ、戦略の実行に商工会議所が参画できるよう求めた。
3月17日、日商は、高村正彦副総裁、谷垣禎一幹事長ら自由民主党首脳との懇談会を都内で開催した。三村会頭は、中小企業の景況感や経営環境などに触れ、中小企業が設備投資や賃上げに取り組むためには「軽減税率への対応」「人手不足と人口減少・少子化対策」が重要と指摘。軽減税率への準備に対する万全の体制や、社会保障給付の見直しによる恒久財源の少子化対策への配分などを求めた。また、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた各地域が参画しやすい仕組みの整備を要望した。
4月21日、日商は加藤勝信一億総活躍担当大臣との懇談会を都内で開催した。冒頭にあいさつした三村会頭は、地方における中小企業の人手不足を強調。人手を確保するため、賃上げせざるを得ない状況にあると述べるとともに、若者、女性、高齢者が働きやすい職場環境づくりの必要性を訴えた。
7月21日、日商は岸田文雄外務大臣との懇談会を都内で開催した。三村会頭は、7月13日に4団体で取りまとめ政府など関係各方面に提出したTPP(環太平洋パートナーシップ)協定の早期実現を求める要望書について触れ、改めて秋の臨時国会でTPP協定が承認されるよう求めた。
会頭コメント
5月
27日 G7伊勢志摩首脳宣言について
6月
1日 安倍総理の消費税引き上げ時期の再延長表明について
2日 「日本再興戦略2016」「ニッポン一億総活躍プラン」ならびに「骨太の方針」の閣議決定について
15日 舛添東京都知事の辞任表明について
22日 参議院議員選挙の公示について
24日 英国のEU離脱の是非を問う国民投票結果について
7月
10日 参議院議員選挙結果について
11日 参議院議員選挙の最終結果について
14日 東京都知事選挙告示について
ニュース・ダイジェスト
1月
5日 経済3団体新年祝賀パーティー
15日 「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書(案)に対する意見」※
21日 林経済産業大臣との懇談会31日~2月6日 訪タイ・マレーシア経済ミッション
2月
18日 「東日本大震災からの復興に関する意見・要望」※
〃 「今後の観光振興策に関する意見~『新たな観光ビジョン』策定への期待~」※
18~20日 日本YEG第35回全国大会 吉備の国おかやま大会
23日 第34回日比経済合同委員会(フィリピン・マニラ)
29日 第12回日本・ミャンマー商工会議所ビジネス協議会合同会議
3月
1日 「ビジネス総合保険制度(賠償補償型)」スタート
2日 第12回日本・エジプト経済合同委員会会議
3日 「2020年東京オリンピック・パラリンピック等の気運盛り上げに関する要望」※
7日 「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)における平成28年度新規参入者向け調達価格などの改正についてのパブリックコメントに対する意見」※
16日 石破地方創生担当大臣との懇談会
17日 自由民主党首脳との懇談会
〃 第123回通常会員総会
〃 「知的財産政策に関する意見」※
21日 第2回日本・カナダ商工会議所協議会合同会合(カナダ・バンクーバー)
4月
13日 「地球温暖化対策計画(案)のパブリックコメントに対する意見」※
14日 第25回日本・スペイン経済合同会議
21日 加藤一億総活躍担当大臣との懇談会
〃 「『観光立国実現に向けたアクション・プログラム』改定への意見」※
〃 「中小企業のIoT推進に関する意見」※
〃 「雇用・労働政策に関する意見」※
5月
10日 「地方創生と一億総活躍社会の実現に向けた規制・制度改革の意見50」※
12日 「平成28年熊本地震からの復旧・復興に関する要望」※
19~20日 第70回全国商工会議所専務理事・事務局長会議(函館)
30日 「まちの活性化に向けて空き地・空き店舗の利活用促進策などを求める意見書」※
6月
1日 日本マレーシア経済協議会第34回合同会議
7日 日モンゴルEPAに基づく第一種特定原産地証明書の発給事務開始
15日 第19回日本・スリランカ経済合同委員会(スリランカ・コロンボ)
〃 北陸信越ブロック商工会議所との懇談会(富山)
20日 「独占禁止法研究会における課徴金制度の在り方検討に関する意見」※
7月
1日 「ビジネス総合保険制度(総合補償型)」「海外知財訴訟費用保険制度」スタート
7~8日 第5回商工会議所経営指導員全国研修会(支援力向上全国フォーラム)(金沢)
11~13日 全国商工会議所観光振興大会2016in京都
13日 「TPP協定の早期実現を求める」(日商・経団連・同友会・貿易会連名)※
20日 「TPP協定の早期実現を求める」(日商・経団連・同友会・貿易会連名)※
20日 夏季政策懇談会21日 岸田外務大臣との懇談会
21日 「平成29年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」※
※は提言・要望など
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