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困ったときの下請かけこみ寺 -相談事例別アドバイス4- 下請法違反を認識させることが大切

このコーナーでは、下請取引に関する「かけこみ寺」に相談があった事例を参考に、中小企業の取引上のトラブルや疑問点の解決の基本的な考え方や留意点を解説します。今回は「下請代金支払遅延等防止法(下請法)関係」の「瑕疵による支払いの留保」についての相談事例をご紹介します。

下請法違反を認識させることが大切

Q.A社(資本金2億円)は、B社(資本金10億円)から製品の部品の製造を委託され納品しましたが、B社が先月組み立てた製品の一部に瑕疵が見つかったため、現在、原因を調査中であるとして、下請代金の支払いを留保されています。当該製品の部品数は数百もあり、原因がはっきりするまで何カ月も下請代金の支払いを留保されることは、下請法上問題ではないのでしょうか。

A.A社とB社の取引は、「製造委託」に該当し、B社の資本金は3億円を超え、A社の資本金は3億円以下(2億円)であるため、下請法の資本金基準(3億円基準)を満たしており、下請法が適用されます。

B社は、数百ある部品の一部に瑕疵があったことを理由に、A社に対する下請代金の支払いを留保していますが、A社が納品した部品に瑕疵があったか否かが判明していない以上、支払いを留保する正当な根拠は認められないと考えられます。

したがって、当初定めた支払期日を過ぎて、なお、B社が下請代金を支払わなかった場合は、下請法の「支払遅延」(法4条1項2号)に違反する恐れがあります。

さらに、原因が不明のまま、下請代金の全部または一部を差し引くと下請法の「減額」(法4条1項3号)に該当する恐れがあります。

まず、B社に対し、下請代金の支払遅延は下請法に違反することを認識させることが大切です。また、納品した部品の不具合については、具体的な原因を示す資料などを求めるようにしましょう。もし、B社の担当者が下請法違反であることを認識しながら、支払いを留保しているのであれば、再度下請かけこみ寺に相談してください。

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