1 特別法の制定などによる復旧・復興対策の十分な予算確保を
特別法の制定などによる十分な予算確保と柔軟な運用を実施していただきたい。
具体的には、緊急対応として多額の経費を要する復旧・復興事業に取り組む自治体に対し、その着実な事業遂行を支援するため、特別交付税を措置されたい。
2 生活・産業インフラの早期復旧・復興を
(1)水道などのライフラインの完全復旧および避難者の住宅確保の早急な実現を、強力に支援していただきたい。
(2)土砂崩れなどにより損壊した幹線道路や橋梁などについて、早期に復旧していただきたい。特に、JR豊肥本線(肥後大津~豊後荻間)および南阿蘇鉄道高森線の早期復旧を強力に支援していただきたい。なお、これら復旧整備については、速やかに復旧時期を明示することが重要である。
(3)農業の物流基盤となる集荷・選果場などの物流の核となる機能は、早期に回復する必要がある。
(4)災害廃棄物および一般廃棄物の早急な撤去・処理に向けた財政的支援や、他の自治体などによる広域処理を促進していただきたい。
3 事業再開や販路回復などに向けた強力な支援を
(1)被災事業者の施設・設備や商店街のアーケードなどの建て替え・補修、仮設店舗の建設など、事業再開に向けた財政的支援を講じていただきたい。事業者の販路回復に向けた展示会・商談会などへの出展に対しても支援いただきたい。
(2)二重ローン対策や無利子・低利融資など、迅速かつ万全な金融支援を講じていただきたい。
(3)被災事業者の雇用維持・安定に向け、雇用調整助成金について、以下の措置を講じていただきたい。①現行の中小事業者に対する助成割合(3分の2)の引き上げ②中堅事業者に対する中小事業者並みの助成割合の適用③アルバイト、パート従業員などへの支給対象の拡大
(4)各種補助金・助成金の申請について、申請期限の延長、申請書類や手続きの簡素化など柔軟な対応を図っていただきたい。
(5)被災中小事業者に対し、以下のとおり税制上の負担軽減措置を講じていただきたい。①法人税や登録免許税、自動車重量税などの国税および法人事業税、固定資産税などの地方税の減免②震災損失について、前事業年度(個人の場合は平成27年分)の損金(必要経費)への算入の容認③欠損金の繰越期間の延長、繰戻還付の拡充④復興資金捻出のために売却する土地、有価証券などの譲渡益課税の免除⑤事業再開に向けた設備投資減税、資産の買い換え特例
(6)地域経済の中核的な役割を担う経済団体が、復興に向けた事業を円滑に実施できるよう、会館施設の復旧・補修や経営相談などに対応する経営指導員などの応援派遣について支援していただきたい。
4 観光振興など交流人口拡大に向けた支援を
(1)九州地方全域における風評被害を防ぐため、被災地を除く地域における安全性などに関する国内外への的確かつ継続的な情報発信を実施していただきたい。
(2)九州地方のPR活動、特に夏期の観光プロモーションに対する強力な支援を講じていただきたい。
(3)熊本城や阿蘇神社などをはじめとする観光資源の早期復旧を強力に支援していただきたい。
(4)全国各地で実施される応援物産展、商談会などについて支援していただきたい。
5 今後の震災対策の促進を
今回の教訓も生かし、近い将来の地震発生が予測されている地域など、他地域での大震災への対応を早期かつ着実に進めていただきたい。(5月12日)
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