日本商工会議所と全国観光土産品連盟は、1121点の土産品の中から優れた商品を「全国推奨観光土産品」として選定。特に優秀と認められ、大臣賞と日本商工会議所会頭賞に選ばれた商品を8回にわたり紹介する。
農林水産大臣賞 巻鰤
江戸時代、能登で取れる最高級の寒鰤(かんぶり)を、どうにかして加賀や京の都に運ぼうと、さまざまな試行錯誤の末に編み出されたのが「寒鰤を塩漬けし、乾燥させ、わらに包み、熟練した職人が縄で巻く」という方法。これが「巻鰤(まきぶり)」だ。
保存食ならではの塩気の中に、鰤のうま味と風味が凝縮され、かめばかむほど味が口の中に広がっていく。薄くスライスしてお酒のおつまみにしたり、軽く炙ってお茶漬けにのせたりと、特に酒好きの人にはたまらない逸品だ。
この「巻鰤」をつくる浜野水産は、能登半島最北端のまち、珠洲市を拠点とする海産物問屋。「能登の里山里海」として日本で初めて世界農業遺産に認定された自然豊かな地域ならではの産物を昔ながらの方法で加工した伝統食材は、多くの人に伝えたい味で、土産品としても好適として審査員からも高評価を得た。
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