日本商工会議所の三村会頭は1日、定例の記者会見に臨み、景気情勢について、「実情を見ると足踏み状態が続いているということだと思う」と述べるとともに、同日発表された日銀短観の調査結果に触れ、「業種、規模、地域などにより、景況感に相当のばらつきがあるのではないか」との認識を示した。
為替水準については、「現在の貿易赤字の状況もあり、今の円安レベルは日本経済全体にとって必ずしもよくない」と強調し、「100円前後が現在の日本経済にとっては心地よいレベルだ」と行き過ぎた円安に懸念を表明。原発の早期再稼働により電力料金の高騰を抑えるなど、適切な手を打つべきとの考えを示し、「個々の企業も利益を上げて一部は能力増強投資に向けるというような対策をとることが大事だ」と述べた。
政労使会議で年功序列の賃金体系見直しの議論が始まることについては、「今後徹底的に議論して日商としての考えを表明したいと思う」と述べた上で、「年功序列賃金にはメリットとデメリットがある。簡単に右から左に変えられない。来年の春闘で片付くような問題ではない」との考えを示した。
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