韓国の全国経済人連合会は1日、日中韓の首脳会談の開催に合わせて、ソウル市内で3年半ぶりに日中韓3カ国の経済人によるビジネス・サミットを開催した。サミットには、在韓日系企業で組織するソウルジャパンクラブ(SJC)メンバー約150人を含む総勢500人近くが出席。安倍晋三首相、朴槿恵大統領、李克強首相の3首脳も駆け付け、経済関係の改善を約束した。
サミットでは、R&Dやインフラ開発などの分野で各国企業間の一層の協力、交流を促進していくことを確認。今回の首脳会談を機に、3カ国が世界経済をけん引していくことへの期待や、日中韓FTAやRCEP(東アジア地域包括的経済連携)など産業貿易分野の国レベルでの連携加速を望む声も聞かれた。
サミットに出席し、あいさつした3首脳は、今回の首脳会談で発表された「共同宣言」に沿って、経済的・社会的協力の拡大を行う考えを表明。包括的かつ高いレベルのFTA実現のため日中韓FTA交渉の加速に向け一層努力していくことなどを約束した。
また、SJCと韓日産業・技術協力財団などは、ソウル市内で、サミットの関連イベントとして「日中韓青年人材採用相談会」を開催。中国系の企業とともに、優秀な韓国人材を積極的に採用している日系企業など16社も参加し、雇用情勢の厳しい韓国の若年者などの採用に関する相談に応じている。
今回の首脳会談では、日本人学校の子どもたちも関係改善に向けたムードづくりに一役買った。市内で開かれた朴大統領主催の晩さん会では、日中韓3カ国の子どもたちが、母国の伝統衣装を身にまとい、歓迎の合唱を披露。日本の子どもたちは、和服姿で「ふるさと」を歌った。
合唱には、SJCの運営するソウル日本人学校から5人の児童が参加した。京都から和服を取り寄せ、学校の先生やSJC婦人会が着付けなどを行い、前日から中国、韓国の子どもたちとともに練習した成果を発揮。過密スケジュールの3首脳も、子どもたちの仲良く合唱する姿に大きな拍手を贈っていた。
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