日本商工会議所の三村明夫会頭は11月19日、福島県いわき市で開催した「日商と東北ブロック商工会議所の懇談会」後に行われた記者会見で、被災地の復興状況について「相当程度まで復旧した印象があるが、復旧から復興の段階になると一筋縄にはいかない」と述べ、仕事、生産手段、土地の問題などを例示。「生産を再開しても、販路は別のルートで手当てされてしまっている。販路回復・拡大が大きな課題である」との考えを示した。
また、グループ補助金などさまざまな支援策における事業期間の柔軟化や、資材高騰などによるコスト増の影響などの問題点を指摘。「被災地の商工会議所と共同で復興大臣に要望し、多くは聞き入れられたが、いまだに要望したいことは多い。復興の過程では新たな課題も出てくるので、共に手を携えながら進んでいきたい」と述べた。
全国の商工会議所で協力して実施している遊休機械無償マッチング支援事業については、「これまで約2600件の機械などを被災地に提供し、今年10月は115件のマッチングが成立した」と述べ、引き続きニーズが高いことから事業を継続していく考えを表明。会見に同席した鎌田宏副会頭(仙台・会頭)は、「世界に誇れる仕組みだ」と述べ、来年、仙台で開催される国連防災世界会議で取り組みを紹介する意向を示した。
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