当店は和菓子専門店です。昭和15年に先代が創業し、私は2代目になります。創業時は甘いものが少ない時代でしたが、砂糖を手に入れた先代が事業を始めました。「麦つき節」「駒かすみ」「大風呂敷」は当店を代表する和菓子です。「麦つき節」はこの地域で親しまれている民謡「麦つき節」にちなんでいます。「駒かすみ」は駒ケ岳の残雪のかたちが駒の姿に似ていることが由来です。「大風呂敷」は当地出身の偉人・後藤新平が大きな計画を出し「大風呂敷」とはやされたことから名付けました。
商工会議所を訪れたきっかけは金融・労務管理の相談と地域に根ざした情報交換をするためでした。また、後継者の相談にも乗ってもらいました。奥州商工会議所の菅原専務にも息子(後藤屋・専務理事)を説得してもらい、そのおかげで今は事業を継いでくれています。また、現在は修業中の息子の経営指導もお願いしています。
息子は24時間営業のコンビニエンスストアなど、新たな販路を開拓してくれました。私だけでは思い付かなかった発想です。また、商工会議所のアドバイスを参考にして和菓子を一口サイズに小さくしバラ売りしました。これは商品をより身近にし、さまざまな人の手に取ってもらうという販売戦略です。実際に売上も伸びています。
奥州市の菓子屋の数は最も多かった時代と比べ3分の1ほどになりました。後継者がおらず、職人の技術の承継に苦労し廃業する企業が多いので、その仲介役を商工会議所に期待します。また、少人数で仕事を抱えているため、自社だけでは難しい、販売教育や視察といった社員教育など課題解決に向けた相談相手として頼りにしています。
専門店として地元で愛される和菓子屋になりたいです。「和菓子なら後藤屋」と真っ先に思い浮かぶような存在が目標です。震災以降は、小豆などの材料も地元の物を使用し、地産地消に取り組んでいます。今後とも、地元の人に親しみをもっていただく努力を続けていきたいですね。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
後藤さんは商工会議所の議員を14年お務めいただくなど、商工会議所活動と地域のためにご尽力いただいております。2代目の御子息に対して、商品のネーミングやお菓子を一口サイズにして食べやすくしたり、和菓子を紙で包むのではなく、カップに入れて食べやすくするなどのアドバイスを行いました。そのかいもあり、商品はヒットしています。
後藤屋にはこれからも地元の素材を使った和菓子に特化し、地元の名店として頑張ってほしいです。一生懸命、地道に仕事に励まれていますし、後継者も地元に戻ってきて活気のある状態です。後藤屋の未来は明るいと感じてます。ともに力をあわせて地域のために頑張っていきたいです。
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