日本商工会議所の三村明夫会頭は2月15日、定例の記者会見で、1ドル=106円台まで上昇した為替相場について、「私には円高になるという積極的な理由がよく分からない。分からない限り、ある時間が経てば、これは正常化していく。従ってこれが実体経済に悪影響を与えることは全くない」との考えを示した。正常な範囲といえる為替水準については、「1ドル=110円前後」と述べた。また、こうした円高が春闘に与える影響について、「今までの考え方を変えるということはないのではないか。春闘に与える影響はほとんどないのではないかと思う。恐らく個々の企業の支払い能力と将来の見通しに即して、それぞれの企業がそれぞれの考え方で、労使交渉に臨むのではないか」と語った。
日本銀行がマイナス金利政策を導入してから2年が経過したことについては、「日銀の金融緩和政策の一環としてマイナス金利が導入されたが、これらの超金融緩和政策はデフレから脱却するためにはやむを得ない政策であり、ある意味では異常時に対応するための政策」と強調。「当初の金融緩和政策は正しかった。これ以外の方向は何もなく、全く正しい方法であったが、いろいろな意味で経済の正常な働きを一部損なう動きも出ており、プラスとマイナスの影響をしっかり検討して、冷静にそれを判断すべき時期が近づいているのではないか」と指摘した。
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