流山商工会議所(千葉県)は2020年12月5日と12日の2日間にわたり、「日商簿記1級合格者の高校生が教える『日商簿記 初級講座』」を同所で開催した。会計に強い人材の育成を目指す地域連携事業として初めて開催。講師は、千葉県立流山高等学校商業科3年生の簿記部員で、日商簿記1級合格者2人と2級合格者2人の計4人が務め、同所の会員事業者や市民ら18人が受講した。
同簿記講座の開講は、「簿記や会計の学習を通して地域の人と交流を図りたい」と、流山高校簿記部の生徒らが発案。同校と同所は、過去にも同校の生徒が同所の広報紙を作成するなど連携事業を実施してきた経緯があり、今回の試みは、生徒らにとっては日頃の学習成果を発表する場となり、商工会議所にとっては人材育成の場になるとして開講を決めた。
講座1日目は簿記の意義や目的、勘定科目と仕訳について、2日目は総勘定元帳の記載方法や決算の手続きなどについて高校生が解説。「説明が丁寧で分かりやすい」と受講者に好評だった。母親の勧めで参加したというラーメン店経営者は、「初めて簿記を学んだが、仕訳が簡単にできるようになった。学んだことを店の業務拡大やコスト削減に生かしたい」と意欲を見せた。また、パート勤務の女性は、「スキルアップのために受講した。まず初級を受験し、3級、2級へとチャレンジしたい」と話した。
講師を務めた生徒で1級合格者の川口千尋さんは、「1級合格を目指して必死に頑張った。自分のスキルを役立てて、簿記の面白さを伝えたい」と述べた。簿記部長で将来は税理士を目指すという村田詩乃さんは、「分かりやすく説明することに苦心し、何度も練習した」と話した。同所は「高校生も受講者も熱心に取り組んでいた。こうした講座が簿記の普及につながれば」と期待を寄せる。
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