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特別寄稿 第2回 新型コロナウイルス感染症のリスクに備える 東京海上日動火災保険株式会社 コロナによる労災にも対応 業務災害補償プラン

(図1)労災事故と交通事故

新型コロナウイルス感染症に収束の兆しが見えていません。同感染症により、多くの事業者の経営に甚大な影響が出ています。本稿では3回シリーズで、同感染症による影響と、今、経営者が検討すべきリスクについて考えるとともに、そのリスクに備える日本商工会議所の損害保険制度について取り上げていきます。第2回の今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から広がった新たな働き方・労働環境の変化による事業者におけるリスクと対策について考えていきます。

軽視できない、職場のメンタルヘルス不調

新型コロナウイルスは、その感染リスクにとどまらず、働く人の経済面に影響を与えているだけでなく、心の健康にも害を及ぼしているようです。

全国的な感染拡大防止のための外出自粛、移動制限に加え、出社制限、慣れない在宅勤務、業務上の制約などの労働環境の変化によって、ストレスのたまりやすい状況が続いています。また、先行きが不透明なことから、パニック障害や不安障害なども増えてきています。在宅勤務やステイホームによって、アルコール、ギャンブル、ゲームなどの依存症にも注意が必要です。

新しい生活様式が従業員のメンタルヘルスに与える影響

企業によって状況は異なりますが、業務のデジタル化、対面から非対面のリモート化、オンライン営業といった業務形態が進展し、テレワークや在宅勤務が増えてきており、働き方や産業構造の変化も予想されます。

テレワークや在宅勤務は感染防止対策として急速に企業で導入が進み、柔軟な働き方が実現できるというメリットも注目されますが、管理が行き届きづらくなることによる長時間労働の発生やオンラインツールなどの業務上の運用、その使用への適応によるストレスなど、労務管理の観点からは留意が必要です。

場所を選ばず参加できるという利便性からオンライン会議も増えてきています。テレワークで勤務状況が見えないからと頻繁にオンライン会議が開催され、参加を強要され「監視されているようでストレスがたまる」と感じる人が出てきていたり、自宅でオンライン会議に参加する際に、カメラ越しの背景に生活空間が映らないようにしたり、周囲の生活音にも配慮するなど、神経を使い、対面での会議とは異なるストレスがかかることもある点に、注意が必要です。

こうした働き方が変わることによって、従業員がメンタルヘルス不調を発症し、その原因として、会社に賠償請求がなされることも想定されます。(図1・2)

労働契約法第5条に、安全配慮義務が規定されています。安全配慮義務とは、職場における労働者の安全と健康の確保を企業に求めるもので、働き方や働く場所が大きく変化している現環境下においては、企業として慎重な対応が求められます。

長時間労働などによるメンタルヘルス不調以外にも、「従業員がマスクの着用を希望しているにもかかわらず、接客業だから認めない」といった対応や「職場で感染防止対策を取っていないにもかかわらず、在宅勤務を認めず出社命令を行う」といった対応も、感染拡大が続く環境においては、十分に注意しなければなりません。(図3・4)

新型コロナウイルス対策にも有効な「業務災害補償プラン」

新型コロナウイルス流行下における労働環境の変化に対応する保険制度として、日本商工会議所を契約者とする東京海上日動の業務災害補償制度が有効です。業務災害補償制度は、「政府労災保険の上乗せ補償」の制度ですが、東京海上日動の「業務災害補償プラン」は、業務上疾病も補償対象としています。「業務災害補償プラン」は法定外補償・使用者賠償責任ともに、従業員が新型コロナウイルス感染症に感染し労災認定となった場合に保険金支払いの対象となります。(業務上疾病に該当するかどうかは政府労災の認定により判断します)

厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の労災補償の取扱い」を公表しており、医療従事者については労災の対象(業務外で感染したことが明らかである場合を除く)に、医療従事者以外は職場クラスターなど、感染経路が特定された場合に労災の対象となります。(図5)

感染経路が不明な場合であっても、個々の事案に即して判断することとしており、下記のケースなど、業種ごとの業務環境を踏まえ、労災認定がされています。(図6)

パワハラやセクハラにも対応

2020年6月1日より、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行され、注目を集めているパワハラをはじめとしたハラスメントですが、仕事のオンラインコミュニケーション上のトラブルは「リモハラ(リモートハラスメント)」と呼ばれ、容姿や服装に触れる会話やカメラ越しに映るものに対するコメントは、たとえ雑談であっても、個の侵害(プライベートに過度に立ち入るもの)としてハラスメント問題に発展するリスクがありますので、対面時以上に配慮が必要です。ハラスメントは場所を選ばなくなってきています。

実際に、仕事仲間から業務とは異なる格好(部屋着、パジャマなど)になることや室内の様子を映すことを求められるといったハラスメントが報告されています。

このようなハラスメントに注意をしていく必要がありますが、万一、パワハラやセクハラによるトラブルとなった場合でも、「業務災害補償プラン」では、対応が可能(雇用関連賠償)です。

「業務災害補償プラン」は、商工会議所の会員事業者が加入できるプランであり、補償内容が同じ一般の保険に比べ約半額程度に設定されていることから、業種を問わず、多くの会員事業者にご加入いただいています。売上高を基に保険料を算出する仕組みであり、役員を含め全従業員が自動的に補償対象となることも好評です。

新型コロナウイルス流行による労働環境変化でより配慮が求められる、事業者の使用者リスクから守る制度として、商工会議所の「業務災害補償プラン」の加入を強くお勧めします。