輪島商工会議所(石川県)は、国土交通省の「令和2年度交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰」を受賞した。同表彰は環境保全に関する取り組みに顕著な功績があった事業者、事業所、団体を表彰するもので2006年度から実施。同所は小型電動カート「WA-MO(ワーモ)」を活用し、全国で初めて公道走行が可能なナンバーを取得してサービスを開始するなど、環境保全に関する活動に積極的に取り組んだことが評価された。
「WA-MO」は、日常の移動手段の確保や観光振興・脱炭素社会実現の観点から次世代交通対策事業として構築された。6年間社会実験を行った結果、地域住民や観光客から、市街地走行の要望があり、利用者が増えている。19年度には、環境負荷の少ない水素を使用した燃料電池を搭載した車両を使用し、公道での実証実験をした。「WA-MO」運行により、軽自動車で走行した場合と比較して年間でCO2排出量を約2・8トン削減できる。
専務理事の坂下利久さんは「人と環境に優しい社会基盤としての交通手段の構築を目指し、社会実証を重ねてきた。単なる移動手段以上の価値が感じられるが、事業としては採算性など多くの課題が残る。商工会議所だけでなく『まちづくりビジョン』とも方向性を同じくし、観光とも連携してシステムの発展を図りたい」と話している。
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