自転車用ペダルを製造して71年。日本で年間1000万台近く生産されていた自転車の生産地は台湾、中国へ移りました。かつて大勢いた仲間も減少し、ペダル専業メーカーは当社のみに。ペダル製造には、市場調査、設計開発、プレス、鍛造、切削、溶接、研磨、熱処理、組立と多くの工程が必要で、これらを1カ所で行えるのが当社の強みです。その特徴を生かし、現在は自動車部品の売り上げが多くを占めるようになりました。今後も輸送機器部品メーカーとして、メードインジャパンにこだわったものづくりを心掛けたいと思います。
私は、自社製品はおろか自転車のこともよく分からないまま、学校卒業と同時に自転車が地場産業といえる大阪府堺市のマエダ工業(Sun-tour)に入社しました。そこで偉大な業界人、故・河合淳三氏に出会い、自転車だけでなくものの考え方や開発の考え方などを教えていただきました。環境や健康に良く、新しい生活スタイルにも合う自転車は、ますます注目される存在です。当社では、今後も世界各国の需要に合った製品を開発・供給していきたいと思います。
西武池袋線と新宿線が交わる所沢市は、今まさに動いている最中です。西武ホールディングスが手掛ける開発は、所沢駅東口駅ビルから西口の商業施設に移りました。市が施工者の再開発事業と民間事業者による高層マンション建築も並行して行われ、鎌倉街道の宿場町として栄えたまちが大きく変わろうとしています。こうした中、当所では、さらなる活性化を目的に、特定の地域だけでなく、人の動きも考慮した観光ルートを市と観光協会との共同で検討中です。
当市は武蔵野の雑木林、狭山丘陵、狭山湖など豊かな自然に恵まれ、宮崎駿監督の「となりのトトロ」の舞台となった「トトロの森」があります。さらに西武園ゆうえんち、西武ドーム、所沢航空公園といった施設がある中、昨年11月には、市とKADOKAWAが共同で推進するCOOL JAPAN FOREST構想に基づく拠点「ところざわサクラタウン」がグランドオープンいたしました。日本のアニメ文化を世界に発信する拠点として、特に注目される図書館、美術館、博物館が融合した文化コンプレックス施設は、コロナ禍終息後のインバウンド需要が見込め、観光振興への期待が高まっています。
「都心から30分という程よい都会でありながら、のどかで自然豊かな程よい田舎」が所沢を語るキャッチフレーズになるかとも思います。
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