メンタルヘルスマネジメントで個人と組織の活性化を実現する
ソーシャルアドバンス株式会社 代表取締役 伴 裕美(ばん・ひろみ)
明るく健やかな社会を次世代へつなぐために
昔から今も変わらず、組織・集団においてメンタルヘルス不調になる素因を持った人は1~2割程度存在していることは医学的に示されています。当然のことながら、個人や組織の生産性向上を必須とする少子高齢社会において、自殺やメンタルヘルス不調などによる労働損失は先手を打って防がなければなりません。
前職の不動産会社時代から個人や集団のクレーム問題解決にかかわり続けてきた中で、「問題や失敗の原因をつくる人の置かれている『状態』が、組織全体のバランスに影響する」ということに気付きました。ストレスチェック法制化の立案を知り「問題が発覚してから対処するのではなく、未然防止がベスト」だと考え、これまでの経験を生かすために起業を決意。まだメンタルヘルスという分野が業態として確立されていなかった2014年の創業当初、半年がかりで約1300社の企業を訪問し実態調査を行いました。この現場調査から得た「実態」と「課題の本質」を基に、現在の支援内容を構築しています。
現在は、本社を置く神戸以外に全国7カ所でカウンセリングルームを運営しています。8万件を超える個性心理学を基にしたメンタルヘルス包括支援、取り組む課題を明確にするストレスチェックや職場環境改善支援、実践的なマネジメントコンサルティング支援、各種研修支援などを通じ、「一人ひとりの特性と現状を把握して先手のメンタルヘルス対策」の普及活動を行っています。個人・組織のパフォーマンスを最大限にする企業の健康な組織づくりに貢献することを目指しています。
SDGsの達成に向けて
縁あってこれまでの実績と挑戦が評価され、このほど国連との連携が決まりました。SDGsの重要な要素である「人的資本の育成」の達成に向けて、弊社提供の47万件のメンタルヘルスデータ検証に基づく国連による算出では、ストレスが起因して起きている労働損失額が、100人規模の会社で30億円であることが分かりました。これらの労働損失を防ぎ、利便性や合理性を追求し過ぎたあまり鈍ってしまった日本人本来の力を再生することを目的に、世界初で発足する国連のSDGs国際認定学会の理事に就任いたしました。今後は、産業界への正しいメンタルヘルス対策の普及、認定評価、分析と課題提示、解決実践支援の役割を担っていきます。
また、2年前から運営している発達障害児の治療を目的としたクリニック事業があります。今回、30年の経験と実績を持つ九州大学名誉教授を迎え、心身のパフォーマンス力を根本改善する脳疲労治療の分院として再スタートしました。同時に、免疫力から各疾患治療につながる腸内細菌研究治療にも注力しており、自閉症や発達障害、不登校、引きこもりなどの根本解決を実践していきたいと考えています。
コロナ禍という未曽有の時代。真に豊かな社会とは何なのか、いかに生きて、いかに次世代へつないでいけるのか、日々模索し、実践・検証し続けています。
会社データ
社名:ソーシャルアドバンス株式会社
所在地:神戸市中央区東町123-1 貿易ビル4F
電話:078-332-3350
創業:2014年
事業概要:個人向けカウンセリング、組織向けメンタルヘルス対策支援・コンサルティング
※月刊石垣2021年2月号に掲載された記事です。
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