日本商工会議所青年部(日本YEG)は、令和2年度日本YEG米良充朝会長のお膝元・宮崎市のシーガイアコンベンションセンターで交流事業を開催した。本事業は日本YEG交流委員会が企画し、二部構成の研修会である。登録人数341人、現地参加197人とオンライン参加144人でのハイブリッド形式で実施した。
第一部 講演会「被災地害が求めるYEGの力」
平成30年度日本YEG西地区担当副会長・大山善生氏(九州ブロック熊本県連人吉YEG)
熊本・豪雨災害の復旧で再確認したYEGの絆
第一部では、2020年7月に球磨地方を中心に甚大な被害をもたらした豪雨災害後の熊本県連や、九州ブロックYEGメンバーによるさまざまな支援状況を紹介した。
まず、被災当日の人吉市の模様をスライドと動画で流し、想像を超える水量に橋脚もろとも流されてしまった橋や、人の背丈に迫るくらいに浸水した家屋の様子に、聴講していたメンバーは息をのむばかりだった。水が引いた後の復旧作業では、重機の提供や、コロナ禍でも集まってくれたボランティア、足の踏み場もない被災地の模様をドローンで撮影し被災状況の情報発信を手助けするなど、他のYEGからの支援に対し、「多くのYEGに支援いただき、その絆はとても素晴らしいものだと感じた。感謝しかありません」という大山氏の言葉がとても印象的だった。
単会や県連、そしてブロックなど、大きさは違ってもYEGの人脈によるYEGならではの支援活動を知ることができ、被災地支援におけるその存在意義を改めて知ることができた。
被災当時の映像などを共有し、甚大な被害を初めて目にするメンバーも少なくない中、YEGの絆を再確認できたとともに、講演後には、いまだ復興途中にもかかわらず、気丈に講演した大山氏に大きな拍手が送られた。
第二部 「YEG災害協定で被災地とどう繋がるか」
日本YEGの災害連携協定についてディスカッション
オンラインでも参加 今後の災害連携を議論
第二部では、現地参加者は3密にならないように注意しながら、オンライン参加者はグループごとに会議ツール「Zoom」を使い、災害時の連携協定についてディスカッションを行った。
各テーブルではファシリテーターを中心にして、今後の災害連携に関して議論が進められ、それぞれの地域での違いを認識できたことに加え、今後の自単会における活動で参考になる情報交換ができた。熱い議論の中で、今後どんな災害が起こったとしても、ともに乗り越えていこうという意思共有がなされた。
本事業の反省点を次回につなげる
本事業を通じて交流委員会が訴えたいのは、「心のつながり」の大切さである。日本を一つの家族として考え、各地での出来事を決して他人事と考えるのではなく、大切な家族や仲間が助けを求めている時に、家族の一員として手を差し伸べていただきたい。各地のメンバーがつながる場として企画・運営した本事業での新たな出会いがきっかけとなり、ビジネスはもとより有事の際の支援のため、一致団結し連帯する強固な絆となることを強く期待している。
取材・写真撮影:日本商工会議所青年部(日本YEG)広報委員会
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