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経営トレンド豆知識 vol.16 変化に対応した商品開発を

外食する機会が制限される状況が続き「家飲み」をする人が増えました。ちなみに家飲みするとき、よく買う種類を一つ教えてください―との問いに対して人気1位はビールで22%。続いて酎ハイ、第3のビール、発泡酒が続きます(マイナビ調べ)。アルコール度数が低く、爽快感の高いものが好まれているようです。

一方で日本酒や焼酎などアルコール度数の高いお酒を選ぶ人は少数。中でも日本酒を買って飲む人はわずか4%。周囲で話を聞いてみたところ、外食するときは日本酒を飲む人まで家ではビール・酎ハイを選んでしまうと話してくれた人がかなりいました。筆者も日本酒好きですが、家だと日本酒を飲む機会が減ります。どうしてなのか? 理由は、日本酒のサイズが家飲みにはミスマッチなのだと思います。ちなみに日本酒で人気商品の大半は1・8リットルか720ミリリットルサイズ。家飲みして、飲み切るには一苦労な容量です。残って、風味が落ちないように保存するのは面倒。だったら、面倒なことがない飲み切りの缶ビールや酎ハイにしてしまう。サイズが家飲みにはミスマッチなのです。

だとすれば、日本酒市場の大いなる機会損失。ミスマッチを解消して、家飲み市場で選ばれる対策を考えるべきでしょう。そんなミスマッチ解消のためサイズを見直し、飲み切りできる小瓶のバリエーションを増やしている日本酒の蔵元が出てきました。サイズとしては180ミリリットル。通常サイズの4分の1。しかも、人気銘柄の吟醸酒や純米酒。試しに買って飲んでみると、1日で飲み切れるサイズ。家飲みに新たな選択肢が広がることに心躍り、何本も買いだめしてしまいました。

日本酒が外食で飲まれるだけなら、業務用として大きなサイズだけつくればよかったかもしれません。でも、状況がコロナで変わりました。家飲みニーズに対応した商品がなければ、日本酒ファンも消費が鈍ります。さらにビールで十分満足してしまう状態が続けば、日本酒ファンを返上してしまう人も出てくるでしょう。

コロナで起きたニーズの変化を察知して、速やかに対応した商品を開発して市場に投入する。日本酒であればサイズの変更です。住宅でもリモートワーク対応で、通勤時間の短さより、自宅で執務スペースの確保のニーズが高まっています。あるいは食材は自宅で料理する機会が増えて、まとめ買いしてお得な量を求めるようになりつつあります。こうした、変化に対応した商品を開発し、速やかに市場投入していきましょう。

(立教大学大学院非常勤講師・高城幸司)

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