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今日から始める“大人”健康生活 Vol.21 侮るとちょっと怖い症状② ストレス

コロナ禍で多くの人がストレスを感じているようです。ストレスは、もともと物理学で使われていた用語で、物体に外側からの圧力によってゆがみが生じた状態をいいます。医学や心理学の分野では、心や体に掛かる外部からの刺激をストレッサーといい、それに適応しようとして生じるさまざまな反応をストレス反応といいます。ストレス反応というと、不安やイライラ、抑うつ、意欲の低下といった心理面での不調を思い浮かべがちですが、身体面にもさまざまな弊害を及ぼします。

ストレスがあるとき、体内は戦に挑む状態に適したセッティングになります。戦いの場面ではゆっくり飲食はしないので、胃腸の調子が低下して、胃痛、便秘や下痢が起こりやすくなります。また、全身の筋肉に酸素や栄養を届けようと心拍数が増加したり、その調節がうまくいかずに動悸(どうき)がしたり、血圧が上がったりします。血液中にエネルギー源となる血糖や血中脂質を多く保持しようとして血糖値が上がったり、脂質異常症になったりもします。

女性の場合、戦場から逃げ遅れないために妊娠しにくくなったり、無月経や生理周期の乱れなどに現れたりすることもあります。

ほかに、目のかすみや耳鳴りなど感覚器症状、バセドウ病など甲状腺機能障害、慢性関節リウマチなどを引き起こす場合もあります。

したがって、ストレスを甘く見てはいけません。もし、心身に苦痛を感じるとき、持病が悪化したときなどは、ストレスが許容量を超えたサインと受け止めましょう。疲れが取れない、普段は楽しいことが楽しめない、眠れない、仕事に行きたくても行けない、集中力が続かない、食欲が落ちた、いくら食べても満足しないなどが生じたときは要注意です。

まずは自分のストレスに気付くこと、自分に合ったストレス発散法を見つけて、小まめに解消する心掛けを徹底しましょう。

※「侮るとちょっと怖い症状①」は1月号に掲載しています

福田千晶(ふくだ・ちあき) 医学博士・健康科学アドバイザー 1988年慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科に勤務。96年よりフリーランスの健康科学アドバイザーとして、講演、執筆、テレビ・ラジオ番組への出演などで幅広く活躍。また、診療所などで診察を担当するほか、産業医として企業の健康管理や健康啓発にも携わる。主な著書に『メタボがわかれば寿命がのびる!』(白夜書房)、『体脂肪を燃焼させるスロートレーニング』(永岡書店)など多数

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