山口県柳井市
航海に正確な地図と羅針盤が必要なように、地域づくりに客観的なデータは欠かせない。今回は、山口県南東部に位置し、商業都市として栄えた柳井市について、まちの羅針盤(地域づくりの方向性)を検討したい。
豊富で多様な地域資源
柳井市は、海上交通の要衝として古くから知られ、江戸時代は商業都市として領主吉川家の御納戸(おなんど)と称されるほど繁栄し、白壁のまち並みをはじめ歴史的・文化的蓄積がある。また、大畠町との合併もあって、変化に富む地形と自然景観をも有しており、多様な資源が豊富にある地域である。
当市の地域経済循環(2015年)を見ても、民間消費額が大幅に流入しており、地域資源が多くの来訪者を集め、消費を喚起していることが分かる。コロナ禍の20年6月においても、当市の昼間の滞在人口(15~79歳)は27・8千人とほぼ前年並み(28・2千人)を維持しており、地域資源の集客力の高さを示している。
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