熊本県の西端に位置する天草。有明海・八代海・東シナ海の三つの海に囲まれ、その豊かな恵みによって海と人が共生しています。新鮮な魚介類に加え、温暖な気候の下で潮風を浴びた柑橘(かんきつ)類。上品な甘さは南国の味として人気です。歴史的なキリシタン文化、異国情緒漂う天草・本渡。1966年、天草五橋が開通、2000年には天草空港が完成しました。福岡空港と30分、熊本空港とは15分で結んでいます。ミシュランの星のついた、和食の店が数店あり、天草・本渡ならではの海の香り、自然の風味をお楽しみいただけます。
私の座右の銘は「振り返れば未来」。故木村尚三郎大学教授の遺訓です。1969年から東京での大学生活。当時、日米安保闘争・成田空港建設反対の学生運動や、国鉄・私鉄をはじめ労働争議など大変な時代でした。都内主要駅周辺は、シンナーが入ったビニール袋を口に当てた若者でごった返し、悲惨な半世紀前でした。その後、第一次・第二次オイルショック、物不足で紙製品も店頭から無くなる異常事態を経て、高度成長期、物価上昇、賃金上昇……。しかし、安定期は長続きせず、経済大国という言葉が無くなって、かれこれ20年、民営化・規制緩和で国際競争力が弱まってしまった現在の日本、残念でなりません。
私の趣味は学生時代にはテニス、天草に帰ってからはゴルフ。目標はエイジシュートですが、①健康・体力②技術③時間④お金⑤妻の理解⑥仲間がいる、といった6拍子そろわないとできません。
会社は酒類卸売業、創業は1868(明治元)年。法人設立は1954年で、私は三代目の社長です。天草島内の小売酒販店を得意先とし、4年前から地酒・焼酎類の通販事業部を立ち上げ、全国へ出荷しています。コロナ禍の中、自治体からの飲食店などに対する自粛要請の順守、併せて飲み手側の飲食マナー・モラルの啓発を図っていきたいと思います。アルコール飲料には国税である酒税が含まれています。酒税は軍備調達目的税だった時期もあり、いわば国を支えてきたといえます。皆さんに、いま一度酒の特殊性について考えてみていただきたいと思います。
私は本渡商工会議所第14代会頭として会員企業の業績向上、ひいては市民所得向上に寄与してまいります。市民所得の向上があってこそ、教育環境が整備され、人口減少にも歯止めが掛かります。「心豊かに暮らせる天草」を次の世代につなぎたいと思います。
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