日本商工会議所の三村明夫会頭は10月19日、定例の記者会見で資源・エネルギー価格の高騰について、「主要4電力で11月の家庭向け電気料金は年初から平均13%高くなっている。家計には負担となるだろう」との考えを表明。また、企業物価指数が7カ月連続で上昇している一方で、消費者物価指数(コアCPI)は、前年同月比で横ばいである点に触れ、「価格転嫁ができない企業は収益悪化が懸念される」との見方を示した。
資源価格高騰の要因については、「一つは中国の電力不足の影響が考えられる」と指摘。「これから世界的に需要が盛り上がる可能性を考えればエネルギー需給のひっ迫は続くだろう」との見方を示し、「わが国経済に対しては、円安によるコストアップと相まって、マイナスの影響を与えると思う」と述べた。
現在の円安の状況については、「今回は、ドル高よりも円の独歩安の側面が強い」との見方を表明。円安の原因については、日米の金融政策の違いから生じる金利差と、資源価格の上昇と円安による日本経済の減速懸念、の2点を強調した。
企業や消費者への影響などについては、「製品の輸出を主体とする企業にとって円安は歓迎すべきだが、原材料を輸入する企業にとってはコスト上昇要因であり、もし価格が転嫁されれば消費者にとっても好ましいものではない」と指摘。「企業の立場からすれば、価格転嫁したいところだが、デフレマインドがこれだけ根強い中で、簡単ではないだろう」と述べ、需要の高まりによる『良いインフレ』につながるかどうかこれから見極めが必要だ」との考えを示した。
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